仕事が終わってから、ボーリングをお願いしてたのが完了してるのを確認して佐賀まで引き取りに行ってきました。




引き取り時に、色々と御主人に質問責めを連発しまくり、仕事の邪魔して引き上げました。

ボーリング屋さん、他の地域では内燃機屋さんとか呼ばれていますが、かれこれ昭和の終わりくらいからメーカーからのオーバーサイズピストンの部品製造供給が無くなり、それと同時にボーリング屋さんの数が減ってしまったみたいです。

ボーリングって?何?と若い方は知らないのかもしれません。

ボーリングとは、玉転がしてピンを倒す…
ではなく焼き付き等でシリンダー内面が傷ツキ等おこして結果、圧縮低下や異常磨耗でオーバーヒート等々の悪影響が起きてしまいます。
そこで、シリンダーを0.25ミリ刻みで大きく拡げ直して、大きくなった用のオーバーサイズピストンを組み込む訳です。

ちなみに、玉転がして…の方はボウリングと、「ウ」と「ー」で区別されてます。

で、ボーリング屋さんでボーリングしてもピストンが無ければどうしようもないのです。
と、思ってたら町工場(勝手にそう思ってる。)の心意気なのかどうかは知らないけど実はしぶとくもコッソリ堂のようにオーバーサイズピストンが作られています。
全ての車種は無いですが、それなりの売れ行きが良い部品は供給されてます。

TKRJで検索するとヒットします。
ちなみに、残念ながらCT110のピストンは供給されてません。
まぁ、そこはそれでピストンピンやハイトの寸法を計測して、近い形状とかを探してください。

自分も他車用のオーバーサイズピストンを入れてます。0.5ですけど。

「もしや?これ入れたら圧縮アガンね?」

「車種違うけど、このサイズのピストン入れたら排気量がアガンね?え~と半径かけ半径かけサンテンイチヨンかけるの…」

等と、無意味にスマホのギガ数消費したり仕事中にも気になって仕方なくなったりするかもしれません。

特にボーリングを勧めているつもりは有りませんが、メリットとデメリットです。

メリット

ピストンでも何でも、工業製品である以上製品精度の許容誤差が有ります。
経験ではピストン直径でだいたい±0.2ミリ位有りました。
ボーリング屋さんに「0.25オーバーピストン買うから0.25拡げて下さい。」
と言っても、まず受けてくれません。
ピストンを持ってきてから、ピストンのサイズを測って許容誤差の分も入れてシリンダー内径を出します。
ある意味ワンオフの許容誤差ゼロのピストンとシリンダーが出来ます。

社外品のピストンはメーカーの金額と比べると3割位安いです。

シリンダーを買う必要が無いのシリンダー料金の何分かの1の金額で済みます。


デメリットです。

ボーリング屋さんにシリンダー出してるあいだ、予備の腰上部品が無ければ、完全にバイクで走れません。
今回は一週間程で出来ましたが、繁忙期とかは3週間位掛かるらしいです。

中身がリフレッシュしたくせに、外側は前のまんまのヤレ具合です。
磨きましょう。塗りましょう。

気にする人は気にすると思いますが0.5ミリ位で3位排気量が上がります。
CT110は元が105なので108になっても問題有りませんが、元が124とか249だだったりだと越えてしまいます。
何の話?て…血圧ですよ。

かつてCB400fの408問題とか有りましたが当時は中免で大丈夫だったと思うんですが現在はダメみたいです。
排気量の確認はシリンダー横の刻印や鋳型で確認されます。

そのほか、ボーリング屋さんはシリンダーヘッドのリペアやクランクの加工や芯だし等々、色んな加工を受けてくれます。
おカネが掛かりますけどね。
先日まで、コンロッドの小端部に砲金のスリーブ入れてピストンピン径を変更しようと悩んでました。
見積り見てトンザしましたけど。

イメージ 1

持って帰ってきたシリンダーとピストン。


イメージ 2

今回と奮発してバルブの擦り合わせもお願いしました。
擦り合わせは今まで自分でしてましたが、1度プロの仕事を確認してみようと思います。

明日組み上げます。