松子の魅力・松子との距離
嫌われ松子の一生
★★★★
Review:
村上龍が何かのエッセイで
「踊る女が好きだ。
きれいな女が上手に踊れば、もう何をもってしてもかなわない。
きれいじゃない女でもものすごく上手に踊れば、
それはそれでかなわない。
・・・・・・
ブスな女が下手に踊れば、ただヒワイでこっけいなだけだが、
心から楽しそうだと、何かが発生する。 」
みたいなこと言ってるんだけどね、
それを思い出したよ。
松子の魅力っていうのは、そういう魅力なんだなって思う。
懸命な、ブスの下手な踊り。
(村上龍の「きれい」は「賢い」が必須だからね。
松子は容姿はキレイなんだけど。)
精神科医香山リカいわく、
アメリカで、犯罪心理を描いた小説は
「学問的興味」や「怖いものみたさ」でヒットするのに、
それが日本に入ってきたとき
日本では「私の中にも彼が!」みたいに、感情移入して
「泣ける小説」としてヒットするらしい。
松子はとても魅力的で、
映画もよく出来ていてヒットしたけど、
皆、どんな気持ちで松子を見ていたのかな。
みちかは思いっきり、感情移入、しちゃいましたけど。