グラストンベリー2日目の朝・・


相変わらずの時差ボケで5時ごろに起床。


今日は9時からmama's TAXIのスーさんが
お迎えに来てくれる事になっている。



出窓から外を見ると今日は雨も降っておらず

どうやら朝から天気が良さそうだ。



僕は昨日の夜食の残りの冷えたバーガーにかじり付き、

服を着替え、出発の準備を整えた。



時計を見るとまだ6時にもなっていない。


僕はベッドから立ち上がって、上着を羽織り、

そのままグラストンベリートーアへと向かった。



空にはまだ星が輝いていた。



ゆっくりとトーアに歩を進める。



昨日の疲れも取りきれない身体で、息を切らしながら
グラストンベリーの街が一望できるところまで登った。


地平線の奥に見える山々が白んでいた。


上手くいけば今回は雲の切れ目からの朝日ではなく、

地平線から昇る朝日が拝めるかもしれない。


自然と歩が早まった。



早朝の薄明かりの中で見上げるグラストンベリートーアは

まさに「異界の入り口」という呼び名に相応しかった。



丘を登りきり、塔を見上げる。


足の疲れも、旅の疲れも、全て吹き飛んでいく感覚。



本当に此処は紛れもない聖地なのだ。



塔には一人、先客が居た。


巻き毛のブロンド髪の若者はトーアに背中を預けながら、

朝日が昇る方向の尾根を静かに見つめていた。



お互いを認識し、軽く声を掛け合う。



それとほぼ同時に僕たちはグラストンベリートーアから

素晴らしい朝日を拝んだ。


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二人は小さな歓声をあげる。



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グラストンベリートーアを朝日をバックに撮影♪


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トーアの中から撮った朝日。羊たちも映ってますw



彼は僕に「君はタイミングが良いね♪僕はもう身体が冷え切ったよw」と
言いながら身体を抱え込むポーズをとって微笑んだ。

「君はミュージシャン?」と青年に聞かれて

「え?どうして?」と聞き返すと

「そのブーツと髪型でw」と彼はニコニコと答えた。


僕は占い師だとは言わずにそうだよと答えた。


彼はニコラスと名乗った。

親と兄弟が此処に住んでいるらしく、自分は学校が休みで
此処に遊びに来たんだと言った。


僕たちはすぐに意気投合した。



沖縄に友達が居ること。

日本語は「さようなら」と「しし」しか知らないこと。

ししって?と聞くとシーザーと答えた。

あー獅子ねw


日本で朝日ってなんていうの?とか

色々と話をした。



メールアドレスを交換し、彼は僕に「また」と告げて
一足先に丘を降りて行った。





僕はそれからも暫く塔を見つめ、塔の門の前に座り、瞑想をした。


風は心地良く、心は空の様に澄み切っていた。



また・・・



僕はグラストンベリートーアにそう心で囁いた。




つづく