夜更けまで談笑していた同僚たちも終電前には

家路へと足を向け、何かあると怖いからと言う事で

ビデオテープは僕たちが預かる事になった。




翌日、テープを持った僕は昨夜の興奮も覚めやらぬ状態で

『気をつけて』という彼女の声を背中に受けながらも

意気揚々と職場へと向かった。



職場には本来なら休みであるはずの昨日の肝試しメンバーも

ちゃっかり集まっており、すでに昨日の体験談がパルコのフロアにいる

多くのスタッフに知れ渡ることとなっていた。



僕がフロア中央にあるベンチのある広場に顔を出すと

先日の肝試しに行きそびれた、他のショップの友人たちが

ドッと目の前に押し寄せ、早くビデオ上映会をやろうと急かしたてた。




僕はバッグからビデオテープを出すと、急かす大竹に手渡し、

彼は受け取ったビデオテープをビデオカメラにセットすると

みんなに自慢げにOKサインを出した。




いつもは音楽のPVなどが流されているフロア中央の天井から

ぶら下げられたテレビモニターが一度暗くなり、暫くすると

昨夜の肝試しの映像が映し出された。





ビデオ映像を食い入るように見つめるほかの仲間たちを

昨日の肝試しに参加したメンバーたちは含み笑いを

浮かべながら眺めていた。




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