信貴山には彼女がよく行く寺があった。


そこの大僧正に見初められ、能力を開花させたと彼女から聞いたことがある。


今になって調べてみると、その寺は真言宗の総本山

「信貴山 朝護孫子寺(しぎさん ちょうごそんしじ)」である事がわかった。



彼女はよく、必ず一人でその寺に足を運んでいた。

僕に渡した数珠もそこで大僧正から頂いたものだった。





『3日後には必ず私が信貴山にテープを持って焼いてくるから。』

彼女の言葉に男たちは強く頷(うなず)いた。


『3日間は何とか私が抑えるから、それまでにテープは返しなさい。』

彼女は懇願する男たちに呆れた表情を浮かべながら言った。



『やった!』

男たちは表情を一気に明るくさせ、各自、横に座る仲間と手を合わせて喜んだ。


『明日はパルコのフロアテレビにこのビデオ流して皆をびっくりさせたろ!!』

『俺、友達に電話して明日、店に呼ぶわ!ww』


そんな男たちの姿を、呆れた様子で見ていた女子たちは

『男ってなんでこんなアホばっかりなん?』

と顔を見合わせながら深いため息をついていた。





最後は和やかなムードに包まれたビデオ検証会だったが、


彼女だけは険しい表情を緩める事なく、手に数珠を握り締めながら

ビデオカメラを見つめていた。



それはまるでこのあとに起こる様々な災厄を
見据えているかのようだった・・。





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