霊が視える彼女は時折、


『此処に霊が映り込んでる。』


と、トンネル内を歩く僕たちの映像を止め、


テレビ画面を指差して、教えてくれたが


僕たちにはいまいち霊の姿は判らない映像ばかりだった。




僕自身は霊を幼少期から見ているが映像として

はっきりと映ったものなどは視た事がないので

彼女の能力は本当に高かったのだろうと思う。



暫く映像を見ていると、此処には何か映っているのでは?と

皆が密かに期待をしていた、トンネル内で、あやが突然、

泣き叫んで走り出す場面が映り出された。




しかし皆、必死で走っていたので映像も激しくブレており、


あやが転倒した瞬間の映像は残念ながら撮れておらず、



映像を見ていた男子たちは大袈裟なジェスチャーを加えながら

残念そうにため息をついた。



『なんやねんっお前!!もっとちゃんと撮れや~!』


『いやいや!皆、めっちゃびびっとったやん!?俺だけ冷静とか絶対無理やろ!?』


西田と大竹のやりとりに苦笑いを浮かべながら、


トンネルを出て、少し落ち着きを取り戻した一同の映像を

何気なく見ていた僕は・・・



突然、余りにもはっきりと画面に映し出された「人の姿」に

自分の目を疑った。





『これはやばいかも・・』

横で同じものを「視ていた」彼女が親指の爪を噛みながら

眉間にシワを寄せて小さく呟いた。





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