「バレエ」について、よく知ってるとは言い難いけど、観るのは大好きな私です。クラシックもコンテンポラリーも好きですが、モダンバレエの面白さ・凄さを教えてくれたのはやはりモーリス・ベジャール&ジョルグ・ドンの「ボレロ」です。
私のバレエ鑑賞はテレビかDVDによるものだけど、幸せなことに舞台で観たこともあるのですね。その一つがジョルグ・ドンのボレロであるというのはまさに幸福としか言いようがないことなのです。場所はほぼ天井桟敷とも言えるほどの高さでしたが幸福でした。

そんな私が先だって古本屋で中古DVDを眺めていたら、その中に「永遠のジョルジュ・ドン」というDVDがあり、飛びつきました。
ところで名前が一致してないようだけど、綴りはJORGE・DONNです。私が知った時はほぼジョルグ・ドンだったのでどうしてもそう呼んでしまう。アルゼンチンの生まれなのでスペイン語読みでホルヘと言うべきなのかもしれませんが、その呼び方は日本ではしないようですね。玉三郎さんは「本人はワルフと言っていました」と言われてますし、どれが正しいと言うべきか判らないですね。

さて、この「永遠のジョルジュ・ドン」に収められている最初の演目は1990年の「アダージェット」でした!
先日からヴィスコンティ「ヴェニスに死す」で使われたマーラーのアダージェット。このバレエはモーリス・ベジャールとジョルグの最も緊密な共同作業であるそうです。

ジョルグという方は映画や舞台で踊っている時はまさに「神の踊り」を思わせますが、舞台を降りた通常の時は純朴な青年、という印象の男性だったようですね。
身近で見るとそれほど優れた体格でもなく、素朴な顔立ちで性格の良い目立たない人だったみたいです。それが踊り出した途端、神のお告げを受けたかのように神秘的になってしまう。不思議なことですが、多くの優れた芸術家というのはそういう人なのかもしれません。

ベジャールが振り付けた、マーラーのアダージェットを美神と化して踊るジョルグの姿を見ているとやはり胸を打たれます。

美しいもの、神は私たちに時々そういう恩寵を与えてくれるのでしょうか。

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これはモーリス・ベジャール
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