「あなた、死体は好き――?」
栂野真琴は浦和医大の研修医。
単位不足のため、法医学教室に入ることになった。
真琴を出迎えたのは法医学の権威・光崎藤次郎教授と
「死体好き」な外国人准教授キャシー。
傲岸不遜な光崎だが、解剖の腕と死因を
突き止めることにかけては超一流。
光崎の信念に触れた真琴は次第に法医学にのめりこんでいく。
彼が関心を抱く遺体には敗血症や気管支炎、
肺炎といった既往症が必ずあった。
「管轄内で既往症のある遺体が出たら教えろ」という。
なぜ光崎はそこにこだわるのか
―。
凍死、事故死、病死……何の事件性もない遺体から偏屈な
老法医学者と若き女性研修医が導き出した真相とは?
死者の声なき声を聞く迫真の法医学ミステリー!