
大和新聞東京本社の遊軍記者である宮沢賢一郎は、
東日本大震災後、志願して仙台総局に異動する。
沿岸被災地の現状を全国の読者に届けるため、
「ここで生きる」というコラムを立ち上げた。
そんななか、宮沢とも面識のある県職員が、
東松島の仮設住宅で殺害された。
被害者の早坂順也は、県職員という枠を越えて、
復興のために力を尽くしてきた人物だった。
早坂は亡くなる直前まで、被災地の避難所の名簿を調べていたという。
彼は“顔のない男”に会っていた。
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