この町のどこか夜ごと語られるは彼女にまつわる
黒い噂。

町で評判のちょっと艶っぽいイイ女。
中古車店に毎晩クレームをつけに通う3人組、
麻雀に明け暮れるしがないサラリーマン、
パチンコで時間をつぶす失業保険受給中の女、
寺への寄進に文句たらたらの檀家たち―。
年の差婚をしたかと思えば、料理教室で姐御肌。
ダンナの保険金を手に入れたら、
あっという間に高級クラブの売れっ子ママに。
鬱屈した日々を送る彼らの前に現れた謎の女・美幸。
キナ臭い話は数知れず、泣いた男も星の数――。
美幸って、いったい何者?
愛と悲哀と欲望渦巻く人々を描く、奥田節爆裂の長編小説。