「ガリレオシリーズ」第7弾の最新短編集。
「幻惑(まどわ)す」
ビル5階にある新興宗教の道場から、
信者の男が転落死した。
その場にいた者たちは、男が何かから逃れるように
勝手に窓から飛び降りたと証言。
教祖は相手に指一本触れないものの、
自分が強い念を送って男を落としてしまったと
自首してきた。
教祖の“念”は本物なのか?
湯川は教団に赴きからくりを見破る。
「心聴(きこえ)る」
突然暴れだした男を取り押さえようとして草薙が刺された。
逮捕された男は幻聴のせいだと供述した。
男が勤める会社では、ノイローゼ気味だった部長が
少し前に自殺し、また幻聴に悩む女子社員もいた。
幻聴の正体は――。
「偽装(よそお)う」
大学時代の友人の結婚式のために、
山中のリゾートホテルにやって来た湯川と草薙。
天候が荒れて道が崩れ、麓の町との行き来が出来なくなる。
ところがホテルからさらに奥に行った別荘で、
夫婦が殺されていると通報が入る。
草薙は現場に入るが、草薙が撮影した現場写真を見た湯川は、
事件のおかしな点に気づく。
「演技(えんじ)る」
劇団の演出家が殺された。
凶器は芝居で使う予定だったナイフ。
だが劇団の関係者にはみなアリバイがあった。
湯川は、残された凶器の不可解さに着目する。
読み応え充分の4作を収録。
天才物理学者・湯川と草薙刑事のコンビが難事件を解決する、
シリーズ王道の短篇集第4弾。
単行本二冊分の文庫版オリジナル編集で登場!