「 人質 」  佐々木 譲 | がおがおのブログ

がおがおのブログ

グルメ・銀座・本を中心に書いてます。
他にも日々感じたこと、体験したこと、妄想したことなどなど。。。

ちょっとバタバタしているのでペタお返しできませんので
しばらくペタご遠慮します。

「謝ってほしいんです。あのときの県警本部長に。
ぼくが要求するのはそれだけです」

5月下旬のある日。生活安全課所属の小島百合巡査部長は、
以前ストーカー犯罪から守った村瀬香里との約束で、
ピアノのミニコンサートへ行くことになっていた。

香里よりひと足先に、会場である札幌市街地にある
ワインバーに着いた小島は、そこで人質立てこもり事件に遭遇。


犯人は強姦殺人の冤罪で4年間服役していた男。
そのコンサートの主役は、来見田牧子。

冤罪が起きた当時の県警本部長の娘だったのだ―。
一方、同日の朝に起きた自動車窃盗事件を追っていた
佐伯宏一警部補は、香里から連絡を受け、
事件現場へ向かったのだが…。



道警シリーズの第6弾。
うたう警官(文庫改題:笑う警官) 警察庁から来た男 警官の紋章 巡査の休日 密売人 人質 憂いなき街 と今まで7作出されています。
最初の頃は、警察個人vs警察組織の色合いが強く結構深い内容。 短編集の「巡査の休日」やこの「人質」などは、 警察小説や推理小説としてもクオリティ高いです。 まあ元々実力派の作家さんですからハズレないです。



今回の作品は人質立てこもり事件。
ですがその引き金となるのは「冤罪」です。

もし自分が強姦殺人の冤罪で4年実刑くらったら・・・
破滅ですよね。ゾッとします。


なのに警察は間違いを認めながらも誠意ある謝罪がない。
メンツにこだわり組織にしばられ・・・。


犯人の気持ちもわかろう、というもんです。


でもこの作品はそれだけじゃありません。
いろんな仕掛けがあり、最後まで楽しめますよ。