井上夢人と徳山諄一の二人のコンビによるペンネーム。
「人攫い岡嶋」の異名をもつほど誘拐ものは定評があるが、
中でもこちらは秀逸。代表作と言ってもいいのではないでしょうか。
1988年第10回「吉川英治文学新人賞」
2005年には「この文庫本がすごい!」でも第1位に。
中小企業・イコマ電子工業は倒産の危機にあったが、
社長の生駒は、工面した資金5000万円で再建を図ろうとしていた。
そんな矢先、生駒の息子が誘拐される。
誘拐犯が要求した身代金は、5000万円。
偶然とするには奇妙な金額の一致に訝しく思うものの、
生駒は要求通り、身代金を誘拐犯に渡したことで、無事に息子を取り戻す。
しかし、その代償は大きく、自社は大手企業・リカード社に渡ってしまう。
数年後、失意のうちに生駒は誘拐事件における手記を残し病死する。。。
20年後、再び誘拐事件が発生する。
誘拐されたのは、イコマ電子工業を買収したリカード社の社長の息子。
誘拐犯が身代金の受渡人として指定したのは、生駒の息子だった。。。
とにかく読み易く、展開が早いので読んでいてワクワクします。