どちらかというとプッと噴出してしまうような
ギャグのセンスが抜群ですが、こういうテーマも書ける実力派。
2005年には本屋大賞2位、山本周五郎賞を受賞した名作。
個人的にはこの年の本屋大賞1位には納得してません。
2006年には渡辺謙さん主演で映画化。
渡辺謙さんが、立ち寄ったハリウッドの書店でこの本を見て、
自身の白血病 の闘病生活を重ね合わせ内容に対し深く感動、
原作者である荻原浩さんに映画化を熱望する手紙を送ったのが
映画化のきっかけだそうです。
手紙が送られてきた荻原さんは当初、
渡辺謙本人からの手紙ではないだろうと思っていたが、
本当に渡辺謙からの手紙だと知って仰天したというエピソードが。
家庭も省みず仕事に生きる49歳、広告代理店 のやり手営業マン佐伯。
仕事においては大きなクライアント との契約が決まり、
プライベートにおいては娘の結婚が決まる、と順風満帆に見えた彼を突如、
物忘れが激しくなる、めまい、幻覚といった不可解な体調不良が襲う。
妻・枝実子に促され、しぶしぶ仕事の合間を縫って診察を受けた結果、
医師から若年性アルツハイマー病 と いう診断を下される。
自分の体内で起こっていた受け止めがたい現実に直面した彼は、
錯乱し自暴自棄になり、病院の屋上から飛び降りようとするが、
医師の必死の説得により何とか思いとどまる。
そして屋上から階下へ戻る階段の途中で座り込み、
枝実子と話し合い、二人は涙を流しながらも病気と向き合う覚悟を決める。
ラストは感動モノです。
奥さんがこれまた素晴らしい。映画では樋口可南子さんが演じてました。