モンゴルのジャコウジカという動物


世界には3種類のジャコウジカが生息しており、その1種がモンゴルに生息しています。モンゴルジャコウジカはヘンティーやハンガイ山脈、フブスグルの森林や岩のある山にいます。ジャコウジカはモンゴルの有蹄類動物の中で一番体が小さくて、体長は1メートルぐらい、色が茶色で、角なしの動物なのです。この動物は朝や夕方、また夜に、岩に生えた草を食べ、一頭で暮らします。オスのジャコウジカはギレー、メスのジャコウジカがヘレグチンと呼ばれます。オスジャコウジカの上のくちびるの下部に7~10センチのきばが見られます。メスのジャコウジカのきばは短いので見られません。メスのジャコウジカは6月~7月にかけて1頭の子どもを産みます。たまに双子のジャコウジカが生まれます。ジャコウジカの毛は長くても、弱いためジャコウジカの毛皮があまり利用されません。しかし、オスのジャコウジカの麝香がよく使われます。おへその隣に麝香の腺があります。麝香は一頭につき30~40グラムですが、クスノキのような匂いがします。この麝香は昔から東洋医学の治療にそして西洋では香水工場で匂いを長く保存する薬品として使われてきました。現在でもジャコウジカの麝香の利用が増加しています。そのため昔から、モンゴルのジャコウジカは密猟の対象として狩猟されてきました。ジャコウジカはモンゴルのレッドブックに登録されましたが、現在でも密猟され、中国や韓国へジャコウジカの麝香が密輸出されています。現在、麝香の代わりに科学的方法で香水に使われる多くの物質ができましたが、ジャコウジカの麝香のようなよい匂いがしないとされ、モンゴルのジャコウジカがより密猟され、密輸出されています。そのため、政府はジャコウジカの麝香の密猟と戦うため、狩猟法にジャコウジカに関する特別な条件を示しています。