モンゴル家畜


統計局の調査によると、2007年度、モンゴル全土で家畜頭数は4030万頭に達した。この数は、2006年度に比べると、630万頭増加した。

30万頭のラクダ、220万頭の馬、240万頭の牛、1700万頭の羊、1830万頭のヤギがそれぞれ数えられた。また、全国の遊牧民家庭は25万戸、1000頭以上の家畜を放牧する家庭は2240戸であるという。フブスグル県は牛、ザブハン県は羊、ゴビ・アルタイ県は山羊、アルハンガイ県は馬の頭数で優勝した。因みに、モンゴルの農牧業分野は国内総生産の21.7%、輸出の14%、労働力の40%をそれぞれ占めている。また、7750万ドルの外国投資による22プロジェクトが農牧業分野で実施されている。農牧業分野の発展に向けて国家予算から2004年度13.4億、2005年度14.5億、2006年度18.3億、2007年度29.7億トゥグルグを予算化した。2008年度は78.6億トゥグルグを予算化する予定である。(オルローより)

モンゴルという地方は、「山と山との間の高原、あるいは、高原と高原との間の山である」といわれています。そして、低い所が海抜六百メートル、高い所は五千メートルもあり、年間の平均降雨量は二百~三百ミリほどの、とても乾燥したところです。そのために、人々は昔から狩や牧畜をおもな仕事としてきました。水が少なく、乾燥しているので、農業はあまり発達しなかったのです。
 

ンゴルの人々の財産は、馬、牛、ラクダ、羊、山羊という五種類の家畜です。人々はこの五種の家畜をつれて、ほとんど一年中移動をくりかえし、五畜をふとらせて、そのミルクや肉を食料とし、毛や皮で衣服や生活用具をつくって暮らしてきました。いつも移動する必要があるので、モンゴルの人々はかんたんに組立てられ、また、かんたんに解体できるゲルといわれる家を発達させてきました。ゲルは、慣れた大人の人なら四、五人で一時間で建てられ、二十分で解体できます。これをラクダの背につんで、つぎの牧草地へ移動するのです。ゲルは木の骨組を羊の毛で作ったフェルトでおおったもので、モンゴルの気候風土や移動生活に適応したすばらしい家だと思います。
  在のモンゴルは、バスも飛行機も電話もコンピューターもあるところですが、これから皆さんが読む「モンゴルの昔話」の世界は、一年三百六十五日、五種の家畜と共に暮らしたり、深い山に入って野生動物を追って暮らしていた人々の間から生れ出た世界なのです。
  の中で、モンゴルの人々が、家畜や野生動物とどんなふうにつき合い、また、人間同士がどんなふうに助け合って生きてきたのだろうか、などについて、ぜひぜひ考えてほしいと願っています。