モンゴルホーミー
モンゴルホーミー(フーミーとも)は、アルタイ山脈
周辺民族の間に伝わる喉歌
と呼ばれる歌唱法のうち、西部モンゴル
諸族(モンゴル国
西部、中国
新疆ウイグル自治区
北部に居住)に伝わるものの呼称。一般に、緊張した喉から発せられる笛のような声
のことを指す。語源はモンゴル語
で「咽頭、動物の腹部の毛皮」をあらわす。いくつかのスタイルに分けられるが、人によって分類が異なり、統一見解はまだない。
歴史
喉歌
の確実な記述は、Pallasによる18世紀中旬のものがおそらく最古である。アルタイ山脈
周辺の地域では、浪花節
のような喉を詰めた声で歌う叙事詩や賛歌が発達しており、喉歌はその叙事詩を装飾する目的で発達してきた。この喉歌をもとに1950年代以降、モンゴル人民共和国
の共産党による音楽政策の中で発達してきた新しいタイプのホーミーは、むしろメロディー楽器としての使用が主体となってきた。これが「驚異の唱法」として近年広く海外に知られることとなった。
社会現象
としては、馬頭琴
とともに モンゴル人
のアイデンティティーのひとつのよりどころとしての役割をになっているようで、もともとホーミーがなかったと考えられる西部以外のモンゴル国
内や、ロシア連邦・ブリヤート共和国
や中国
・内モンゴル自治区
のモンゴル諸族にも、モンゴル国から急速に広まってきている。
ホーミーとは、一人の人が1つの声門から高さの異なる二つの音を同時に出す音楽で、まさに人間楽器だといわれています。モンゴルで生まれた技法であであり、世間では分類として音ではなく音楽として認識されています。
ホーミーの使用方法
遊牧民族の多いモンゴルでは、牛や山羊、ヤクダなどの家畜飼っています。その家畜を集めるためにホーミーを使ったり、母畜が仔畜に授乳をする際、嫌がることがあります。しかし、ホーミーを聞かすと自然と授乳をしてくれるようになそうです。これらのことは、厳しい生活の中で生み出された生活の知恵であると言えます。
ホーミーの種類
ホーミーにはいくつか種類があるよ。
ツェージニー(胸の)・ホーミー、ゲデスニー(腹の)・ホーミー、ホーロイン(喉の)・ホーミー、オローリン(唇の)・ホーミー、ハムリーン(鼻の)・ホーミー、タグナイン(口蓋の)・ホーミー、ホービル(鼻腔の)・ホーミー、ハルヒラー(大きな音の)・ホーミーなどがあり、最近もう一種類、ホスモル(対になった)・ホーミーといって、ホーミーを奏しながら歌詞も歌うという方法などがあるそうです。
家畜に対して、牛には「オーブー、オーブー」、ラクダには「ホースー」、羊には「トイグ、トイグ」、山羊には「チャイグ、チャイグ」という掛け声を繰り返し聞かせる。