天の神様への目印オボー


日本も中国も仏教国である。しかし、どちらの国にも仏教伝来以前の信仰が今も残っている。日本は神道で、中国は道教だ。

  また、チベットにも仏教伝来以前の信仰であるボン教が残るように、モンゴ

ルにも仏教以外の土着信仰がある。それもチベットのものによく似ている。

昔、モンゴルの人々は山や川にはそれぞれ神様が住んでいて、中でも天の神様は一番偉いと信じられていました。人々は天の神様に生贄の家畜などを捧げていましたが、その時に天の神様が見つけやすいようにと石を積んで山のようにしました。それがオボーです。現在でもオボーは各所で見ることが出来ます。オボーにはいくつか種類があり、場所によって名称が違います。
・金のオボー:自治体の中の神聖とされる場所にあります。
・道のオボー:山の上に作られています。
・泉のオボー:水が沸いて出てきているところに作ってあります。
・鉱泉のオボー:鉱泉の水のおかげで体の具合が良くなった人が感謝のために作ります。


・草原のオボー :どこまでも続く草原の中で場所の検討をつけるために作られました。
・記念のオボー:昔の貴族が宿泊した場所や、英雄を埋葬したところにあります。
・国境のオボー :国境沿いに転々とおかれています。


小高い山の上や峠によく見られます。オボーを祭るには、まず柳の枝をたて、それにハダク(絹の布)やヒーモリ(馬の絵とチベット語の経文の印刷された布)を結びつけてオボーを飾り付けたのち、西方で香を焚きます。通りがかった人は円錐形に積まれた石の山に、石を投げながら右回りにお参りします。モンゴル最古の宗教的伝統のひとつとされています。

現在では、草原や山道に作られたオボーは、旅人の道標となり、ここで休憩をし、その後の旅を想うポイントとなっている。通り過ぎるときには、オボーの周りを3回まわりながら、旅の無事を祈り、石やお金、馬に乗っている人ならその鬣を3本引き抜き、オボーの上に置いていく。オボーの周りを3回まわってみるが、皆「お金持ちになれますように」とか「幸せになれますように」など、好き勝手に願い事をしています。