最近、当院にいらしている10トントラックの運転手さんのお話です。
言わずもがなですが、運転時に腰痛が出るということで来院されたのですが、体の状態を読ませていただくと、体を右に捻って使う傾向が強いということがわかりました。
ご本人にそのことを告げると、やはり運転中疲れてくると体を捻り始めて、やがて腰痛が出る、ということでした。
大型車はただでさえ神経を使いますし、九州まで行くこともあるとのことで、体も心も負担が大きいのだな、と感じました。
さて、この方とお話しをしていて、たまたま教えていただいたことなのですが、最近はトラックでも、マニュアル車ではなくオートマ車になりつつあるらしいですね。
私は、大型トラックと言えば、運転席の外からも見えるほど大きなシフトレバーを操っている印象があったので、オートマ化が進んでいるとは知りませんでした。
そこで、ピンときて
「Fさん、トラックがオートマになってから腰痛が酷くなったんじゃないですか?」
と聞くと、案の定、
「そうだ」
と言います。
「何でわかるの?」という顔をされていましたが、とても単純なことです。
つまり、
マニュアル車は左脚も動かさないと運転できないから
です。
この方は、体の右側ばかりを偏って使う傾向があるわけですから、アクセル・ブレーキとも右脚のみしか使わないオートマ車の場合、自分の癖が知らないうちにドンドン助長されていってしまうのです。
マニュアル車であれば、変速や停車をする度に、クラッチ操作で左脚も使わなければならないので、その度ごとに右脚偏重の傾向をある程度リセットしてくれるわけです。
ですから、「歩いていてもならないけど、運転をするとなる」という程度の腰痛の方でしたら、クラッチ操作が知らず知らずのうちに腰痛防止の歩行運動のような役目を果たしてくれるわけです。
筋肉を良い状態に保つには、緊張と弛緩をバランスよく繰り返すことがとても重要です。
歩くと体の調子が良い、という方はそれが上手な方と言えます。それが苦手な方は、歩くよりもまず身体の無駄な力を抜くことを優先させた方が良いでしょう。
さて、運転に話を戻しますと、私は時々、渋滞で停まったり動いたりを繰り返して退屈な時や、車の通りが少ない時間に広々とした幹線道路を走る時などに、オートマ車でもあえて、ブレーキを左脚で踏むようにすることがあります。
これは、腰がちょっと固まってきた時にゆるめるのに、かなり有効です。
ただし、咄嗟の時に頭が誤作動を起こしてアクセルとブレーキを踏み間違えたりすると大変危険なので、通りの激しい所などではやらないようにしています。
また、もしやられるという方は、どうぞお気をつけて、自己責任でお願いします…。
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