クラシカジャパンで、『マタイ受難曲』演奏会の様子が放送されていた。
ライプツィヒにある聖トーマス教会で、1998年に収録されたものである。
下の写真は、2004年に訪れた際に写したもの。
ここに、オーケストラ、合唱団、ソリストが並ぶ。
クラシカジャパンは高いけれど(^^;)
こういう放送が見られるから、やはりやめられない・・・。
本当は、その場で、
教会内の空気をふるわせる音のすべてを、
全身で浴びるように聴けたら良いのだけれど、
日本に住んでいるのにテレビで見られる・・というだけでも、
ありがたいと思わねば。
合唱団は少年のみ。ソプラノもアルトも少年達。
バッハの時代はそうだったというのを、どこかで読んだ記憶がある。
ただ一部の最後のコラールだけは、少女達が加わった。
その少女達は、曲が始まる寸前に、
Ⅰ群とⅡ群の間からすっと立ち上がったのだが、
それまで、そこに座っているということが全くわからなかったので、
どっから湧いてきたんだ?!という感じで、少し驚いた。
ソリストの5人はもちろん大人であるが、
アリア以外のソロの部分は、ほとんど合唱団員が歌っていた。
少年である。
なかでも印象的だったのはユダ。
「ごきげんよう、ラビ」とか「私は悪いことをしてしまった」というあたりに、
少年ならではの・・というか、オドオドしたような雰囲気があり、
そこには、確信を持って師を売ったという「悪人像」はなく、
不安や後悔、絶望に押しつぶされてしまった、
ひとりの人間のリアルな存在感があった。