夜よ おまえは 夢の語り部
狂おしき光と闇の迷宮ラビリンス
目覚めし者どもの密かな祝宴
音楽の愛好家は深海より浮上し
育ち過ぎた小鳥は夕焼けの彼方に飛翔し
犬どもの遠吠えは
吹雪の中に微睡まどろみの客を誘う
海原をたゆたう風船
トンネルの中のトンネル
時計を忘れた貸し切りの遊園地
気がつけば 我らの周囲
そこ ここに 華ひらく超常世界
アンバランスゾーン
何と危うき我らの足許
何とはかなき我らの存在
六千年の呪いも 軍神の星の使者も
いとも易々とこの部屋に入り込んで来る
さあ 夜よ
今宵はどんな途方もない夢を
この枕辺まくらべに語るのかーーーーーーー
🕷️ モノクロ特撮の金字塔が45年の時を経て
総天然色ウルトラQへ 🕷️
🕷️ クモの扉 あと二つ🕷️🕷️
蜘蛛🕷️が苦手な方は先🕷️に進まないようお願いします
🙇♀️
超世界ウルトラへの誘い
28本ある『ウルトラQ』を
SFものやファンタジーものなどの
ジャンル作品に分けるなら
本作🕷️はいわば
怪奇ものの筆頭に挙げられるだろう
無国籍情緒にあふれる本作は
奇譚小説の『霧笛』や
映画『レベッカ』などの雰囲気を醸し出して
舞台も設定も海外向きに作られている
タランチュラ🕷️は
劇中では
台本表記のままタランテラ🕷️と呼ばれている
タランチュラ🕷️
蜘蛛の糸🕸️にまみれた
アンバランスゾーン🌀
いわゆるゴシックホラーと言うんでしょうか
今回のお話は割にベタというか
ホラー作品の王道的な展開を
地で行く内容になっていました
眼球が複眼になっている
(実際の蜘蛛🕷️は単眼のみで6角型の角膜ではない)
パーティー帰りの若者たちが
ひょんなことから近くにあった無人の屋敷で
一夜を過ごすことになるも
その屋敷で次々と
奇妙な出来事が起こり…?…
というやつですね (笑)
しかしながら
そんなある種ありふれたとも
言える展開であっても
固唾を呑んで
画面にくぎ付けにさせられるのは
さすが我らの『ウルトラQ』といったところ
冒頭
灯台でのタランチュラ🕷️登場シーンから
もう引き込まれまくりです
前回がホラー要素なしのミステリー的な
回だったということもあり
個人的には今回のホラーに対しては
まさに受入態勢万全というか
ちょうどホラー要素が欲しかったというか
実に良いあんばいですよね
そう考えると
『ウルトラQ』という作品における
各エピソード毎の作風バランスが
いかに素晴らしいものであるかが
改めてわかります
作風を偏重させずに
展開してくれているような
極めて心地よい絶妙なバランスで作品が
組み上がってきている感じです
内容としては
ホラー要素がメインなので
はっきり言って前回のような
ドラマらしいドラマはありません
いつものメイン3人組+ゲスト3人組の6人が
蜘蛛🕷️の糸にまみれた
🕷️アンバランスゾーン🕸️へ
足を踏み入れることになります
怪獣モノとしての特撮を期待してしまうと
肩透かしをくらってしまうかもしれませんが
ホラー回と承知の上で見ていくと
大変楽しめる出来栄えになっています
まあ大抵の人は屋敷が登場した辺りで
ああ、今回はホラーなんだな
と気付くと思います
タランチュラ🕷️を下から
造形者は不明だが
特撮美術監督が井上泰幸なので
東宝特美かもしれない
個人的にはタランチュラ🕷️の造型と操演が
特にお気に入りです🤩
あの脚の動きと体毛… なんかもう
ホントにいそうですもんね
ホントに生きてますよあれ😱
すごいクオリティです
加えて
例によっての4Kリマスターによる
細やかな画質が
圧倒的なリアルさと
没入感を与えてくれています
ナメゴン🦭の時もそうでしたが
この生物としての質感の表現は
本当に群を抜いているなと改めて感じました
今回のオープニングは前回に引き続き
ナレーションの後の挿入
タランチュラ🕷️のシルエットに始まり
仮面やロウソク🕯️
蜘蛛の糸🕸️などが映し出されます
物語の舞台となる屋敷の中を
映したものでしょうか
怖がらせる気満々な映像です
館から出てきたタランチュラ🕷️(クモ男爵)
本作にタランチュラ🕷️は2匹出てくるものの
もちろん作られたのは1匹のみ
🕷️アンバランスゾーン🕷️の住人たち
淳
由利子、一平と共に葉山らと
パーティーに興じていたようです
由利子や一平との仲ほどではないにしろ
葉山たちともかなり親しそうな様子でした
今回も今回とて
持ち前の行動力とリーダーシップで
場を引っ張っています
屋敷に着いてからは葉山と共に
屋敷内を調べて回るポジション
クモ男爵🕷️の話をしたのも彼です
上階にある蜘蛛の糸🕸️まみれの
寝室らしき部屋でくつろぐ場面には
淳ちゃん余裕だねと
思わずツッコミたくなりましたが
天井に張り付いたタランチュラ🕷️と
遭遇した際は普通に驚いて
妙に安心してしまいました
あの状況で落ち着いてたら
さすがに常人ではないぞと
その後
2体登場したタランチュラ🕷️を
2体とも撃退するという大殊勲ぶりを
見せてくれました
相変わらずの大活躍です
タランチュラ🕷️が万城目に迫る
節足動物を嫌う人は多いが
人間大のクモ🕷️が画面いっぱいに広がるのは
確かに怖いものだ😱
地味ながらよく出来た怪獣である
由利子
葉山さんこそ大陳腐
彼の詩は車に例えたらポンコツみたいなもん
などと冒頭から飛ばしまくっていた方
この物言いから
やはり葉山とら親しい間柄のようです
今回は記者としての顔は控えめ
まあ取材で屋敷に来た
というわけではないですし
おそらく完全プライベートの
パーティー帰りだったわけですから
もしかしたらカメラを
持参していなかった可能性もあります
また
今回はゲストを交えての6人編成チームな
状態だったこともあってか
冒頭の台詞以降は割りに活躍は地味め
基本的にはその場にいる人以上の役割は
果たせなかった印象ですが
後半に葉山が
タランチュラ🕷️の襲撃を受けた際に
淳、一平と共にごく自然に行動を
起こした場面は個人的に好きです
状況的には今日子と一緒に
竹原の元に留まっても
おかしくはないんですが
やはりメイン3人組の一員
地味めながらもしっかりと押さえるところは
押さえてくれています

あと暖炉を拝借する際の
一人小芝居がかわいらしいです
一平
竹原と共に底なし沼へ落ちて
あわや命を落とすところでした
気の毒なポジションです
救出されてからはクシャミを
連発していましたが竹原のように
発熱することもなく
由利子に寒い寒い🥶と甘えて?いたので
比較的元気だったようです
その後暖炉に当たりながら
今日はついてねぇやと笑い
葉山が拾ったオカリナを
演奏するなど早々に回復
ホントに竹原とは大違いです
馬鹿は風邪をひかない
なんて言ってはいけない
ロウソク🕯️を投げつけたり
淳と共に
果敢に立ち向かう場面が印象的でした
馬鹿かもしれませんが
決して臆病なヤツではないのです
葉山
髭を生やした淳たちの友人
迷い込んだ屋敷で酒を発見し
ブラボーとパーティーをやろうとしたり
高熱を出している竹原に
あったまるからと酒を飲まそうとしたり
やや浅慮な性格です
退廃的とも言えるかも
その性格から
自分たちの置かれた状況を
あまり理解できていませんでしたが
直にタランチュラ🕷️の
襲撃を受けてしまいます
命があって何より
普通のパニックホラー映画🎞️なら
下手すりゃ死んでいるポジションです
冒頭の由利子の台詞から作家🖋️か何かな?
と思ったんですが
どうやら画家🎨らしいです
なんともダイナミックな画を描きそう
今日子

ゲストその2
気の強めな美女で
同じく淳たちの友人
か弱い感じはしません
ホラー作品の典型らしく
基本的には拠点となる場所(今回は居間)から
動かないポジションのキャラです
後半に動かざるを得ない
状況になってしまって
そこで襲撃🕷️されるというのも
ある意味ではお約束かも
上に書いた通り決してか弱い印象は受けず
竹原のために水を用意しようと
単身動いたことからそれなりに
肝も据わってるようですね
ただ、一平のオカリナの下りから
少し神経質なタイプなのかな
という印象も受けました
まああの状況でピーピーと
オカリナを演奏🎶する一平も
どうかとは思いますが
そういえば
吹くのを止めても鳴り続ける
あのオカリナの正体って何だったんでしょう
なお
葉山の恋人らしいという設定があるようです
そうと思われる描写は
あまりなかった気もしますが
もう一度見るとまた違って感じるのかな?
ちなみに職業はデザイナーらしいです
竹原

ゲストその3
淳たちの友人
人の好きそうな感じですが
あまりこれと言った特徴はありません
一平と共に近道を探す中で
底なし沼に落ちてしまうという損な役回り
加えて高熱を出してしまうなど
ホラー映画的には
最初に負傷して
一行が動けなくなる原因となる
ポジションのキャラですかね
🤮😵💫🙇♀️
その後はグロッキー状態
よほどの高熱だったのでしょう
うなされ震え
途中からずっと水を求めていました
一緒に沼に落ちた一平が
いつも通りの様子だったのに対して
彼は終始苦しそうにしていたので
屋敷の瘴気かクモの呪い🕷️か何かに
あてられたのかと思いましたが
脱出時には普通に歩いていたので
やはり・・・呪い🕷️
だったのかも!
灯台守の二人
灯台に勤める職員の方でしょうか
安否が気になります
悪魔の使い🕷️
森と沼に囲まれた屋敷に棲まう
巨大な蜘蛛🕷️です
肩書きまんまですが
その体長は2.5mとのことで
蜘蛛🕷️としてはマジで規格外の大きさです
グモンガ🕷️を思い出したのは内緒🤫
ビジュアル的にはそこまで
似てはいないのかもしれませんが…
また違った不気味さがあります

口からは粘着液
🕸️というか粘着糸ですね🕸️を吐き
屋敷を訪れた淳たちをそれぞれに襲撃します
最終的には1体目は淳にナイフを刺され
2体目は淳の駆る車に轢かれ
それぞれ絶命しました
なお
淳とナレーションの話から
その正体と出自は90年前に
屋敷で暮らしていた
蜘蛛の愛好家(クモ男爵)とその娘
であることが示唆されています
もし仮にそうなのだとしたら
彼らが淳たち(と灯台守たち)を
襲ったのは何故なんでしょうか

ナレーションの通り
人間を襲い、喰らえば
人間に戻れると考えているのでしょうか
もしくは人間に戻りたいと強く想うあまり
人間という存在に固執し
疎ましく思っているのでしょうか
それともあれは襲っていたのではなくて
蜘蛛の姿🕷️に変異したと言えど
もしかしたら彼らには理性も知性もあり
単にコミュニケーションを図ろうと
近付いただけなのでしょうか
あるいは彼らの人間の意識なんてものは
とうに無くなってしまっていて
単純に蜘蛛🕷️の本能として
淳たちをただの獲物とみなし
襲っていただけなのか
その答えはもはや
誰にも知る由はありません
第9話 (制作第13話)『クモ男爵』に登場する
タランチュラ🕷️
桜井(由利子)
タランチュラ🕷️は撮影の時に触りましたけど
これ柔らかそうに見えて硬いんですよ
シュロっていう木の皮が貼ってあるそうですよ
アコさんはブランデーを飲んでいました
セロニアス・モンクとか
キャノンボール・アダレイとか
ビル・エバンスとかの名前を覚えたのもここでした
アコさんは
飲むとそれはセクシーで
お店のマスターと楽しそうにお喋りをしていました
すると突然
ロコ、そろそろ帰りなさい
お母さまが心配するから
と言われ
後ろ髪引かれるながらトボトボと一人で帰りました
そんなことが五、六回あったある日
ふと気付いたんです
ああ!アコさん、もしかして
私が帰った後、デートなんだ!
と (笑)
葉山役の滝田さん
竹原役の鶴賀さんとは初めての顔合わせでしたが
佐原さん、西條さんたちと共に
楽しく有意義な仕事をさせていただきました
最近
三池敏夫さんたちが開催された
井上泰幸展を見に行ったら
この『クモ男爵🕷️』の図面が
展示されていてビックリ!
こんな素晴らしい仕事をされる方々が
ウルトラに関わっていらしたのか……と
感無量になりました
(江戸川由利子役・桜井浩子)
こんばんは🕸️
アンバランスゾーン🌀の扉🕷️に
🕸️引っかかって下さって🕸️
ありがとうございます
性懲りもなく🕷️またまた🕷️またまた🕷️です
😱
少しは涼しくなって頂けると幸いです🥶
😅
🕷️クモ男爵🕷️の生贄になりかけた人々を追ってみました
次回は最後の扉🕷️蜘蛛館🕷️の魅力🌀に迫ります
紅染月🎐も宜しくお願いします

1966年に放送され
日本全土に空前の怪獣ブーム
を 引き起こしたウルトラマンシリーズの原点
『ウルトラQ』が
ハリウッド最先端の映像デジタル技術により
2年の歳月をかけて
HDリマスター&カラー化が行われ
45年の時を経て
2011年に『総天然色ウルトラQ』として
蘇りました
画像
中国🇨🇳の動画サイト youku
より お借りしております