片目をつむるというのは
見て見ないふりじゃなく
つむっている片目では
自分の心の姿も
見るといいのね。
三浦綾子
(『現実の結婚生活から』より)
結婚前には両目を大きく開いて見よ
結婚してからは片目を閉じよ
とは
イギリス🇬🇧の神学者
フラーの言葉だそうです
結婚する前に相手をよく見極め
結婚してからは
相手のあらをなるべく見ないように
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ここからもう一歩進んで
片方の目で自分の心の姿を見る
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さすが三浦綾子ですね
次々とおそいかかる病を背負いながら
人間にとって大切なものを
その作品で問い続けた彼女
それを支えたのは
キリスト教の信仰の力も
あったのでしょうけど
何より
ご主人の存在が大きいと思うのです
後年の執筆は
彼女が口述し
ご主人が筆記するという形で進められたとか
天草・崎津天守堂
二人の対話集を読むと
大変仲のいい夫婦ぶりで
相手に対して
全く不満などないように思えるほとです
とはいえ
一緒に暮らしている間には
いろいろ感じることもあったでしょう
そんなとき
つむった片目で自分の心を見つめながら
🌿
小意地が
悪くなってはいないか
猜疑心が
強くなってはいないか
と自分を見る
🌿
のだそうです
天草・海上マリア像
目の前のささいなことに
とらわれてしまうと
自分にとって本当に大切なことを
見失いがち
それは夫婦に限らず
どんな人間関係においても
いえることでしょう
壊れるときは
ちょっとした行き違いが発端なのですから
みうら・あやこ
小説家
大正11年(1922)4月25日
〜
平成11年(1999)10月12日
結核のため長い入院生活を強いられた中で
昭和三十四年
見舞いに来ていたクリスチャンの
三浦光世と結婚します
三十九年
新聞の懸賞小説に『氷点』が入選し
連載されるとブームを起こしました
著書に『細川ガラシャ夫人』
『銃口』 など