私は無理をゆるされて
来たことについて
誰にともなくその事を
感謝することがある
上村松園
(『青眉抄』より)
上村松園の美人画を見ていると
上品で透き通るような美しさの中に
女性を超えた
いのちの華やぎが
感じられるような気がします
彼女は
妥協を許さない作品を残そうとしながらも
締め切りに間に合わせるため
何日も徹夜を続けたりしたそうです
自身でも
*
これだけの無理
これだけの意気地が私を
ここまで引っ張って来てくれたのであろう
*
と語っています
私たちは無理を
仕方なく強いられることと思いがちですが
実は許されたことなのですね
奨励するわけではありませんが
無理も
環境や条件がそろわなければ
できないものです
いつか
無理したくてもできなくなる日がくるのです
「無理をゆるされて来たことに感謝する」
という松園の言葉は
さまざまなことを気づかせてくれます
つきつめて考えれば
誰かのせいではなく
自分のために無理するのですから
松園の父は
彼女が生まれる二ヶ月前に
亡くなったそうです
女手ひとつで
松園を育て
成長してからも
絵以外の一切を引き受けた彼女の母
*
私を生んだ母は
私の芸術までも生んでくれたのである
*
と語っているように
母への感謝の気持ちは
格別だったことでしょう
ひとつの時代に咲く大輪の花
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それは
感謝の結晶かもしれません
欄干に寄りかかる若妻を簡潔な構図でまとめ
しかも日本画独特の余白
つまり空間の持つ奥深さと妙味を存分に発揮している
松園69歳
円熟期の作品であり
筆の冴が見事である
気品ある女性像を理想とする松園芸術の
昭和期の傑作といえる
うえむら・しょうえん
日本画家
明治八年(一八七五)四月二十三日
〜
昭和二十四年(一九四九)八月二十七日
京都府画学校に入学するかたわら
鈴木松年に師事します
以後非凡な才能を発揮していきます
何ものにも犯されない女性の内に潜む強い意志を
この絵に表現したかった
一点の卑俗なところもなく
清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵こそ
私の念願するものなのです
(松園)
* 右腕の裾が捲れている
激しい動き(情熱的に生きた)の直後の静寂です
松園の描く美人画は
海外でも高い評価を得ており
昭和二十三年には女性としては
初の文化勲章を受章しました
著書に『青眉抄』などがあります
こんばんは✨
光のカケラ拾って下さって
ありがとうございます
季節外れの夏日もどうやら今日まで
明日は3週連続の
雨の日曜日に・・・・・・
サクラ🌸ともサヨナラです
画像
Google より
お借りしております