霜降
涙さへ時雨にそひてふるさとは
紅葉*もみぢ の色も濃さまさりけり
伊勢 後撰和歌集
23日日曜日
二十四節気のひとつ
太陽の黄経が210度のときで
晩秋の晴天が続き
霜が降りる時期にあたります
また
紅葉前線が北から徐々に下がり始めます
改正月令博物筌
に
節より十六日目を霜降といふは
破軍星
戌*いぬ に指すなり
露結んで霜となるなり
ゆゑに霜降といふ
とあります
破軍星とは北斗七星の
ひしゃくの柄の先端にある星で
北斗七星全体を
七星剣といい
この星を剣先星ともいいます
また戌とは
西から北へ30度の方角のことです
露が陰気にむすぼれて
霜となりて降る故なり
暦便覧
霜降
の字のとおり
霜が降りる時期という意味です
北の地方から
次第に
初霜
の便りが届き始めることでしょう
秋の霜は
草木や農作物に大きな被害を
もたらすものとして恐れられます
とりわけ収穫の時期に重なれば悲惨
そこから
秋霜烈日
しゅうそうれつじつ
という言葉も生まれました
権威や刑罰
志などが大変厳しいことの
たとえに使われます
烈日
は
夏の猛烈な日光のこと
秋の霜
がいかに苛酷かが
うかがえる言葉です
ですが
ようやく紅葉前線が
北から下りてきます
野山の色彩が鮮やかになるにつれ
秋の深まりを実感する人も
多いのではないでしょうか
とはいえ
暦の上では
晩秋
いよいよ秋も終わりという時期です
朝晩はぐんと冷え込み
日脚の身近さを実感するころ
まだ明るいと思っていたら
もう真っ暗
とあわてることも多いでしょう
井戸はなくなり
釣瓶を落とした経験のある人は
少なくなっても
秋の日は釣瓶落し
という言葉は
このころの決まり文句のように
なっていますね
その分
夜が長くなります
虫の音が次第に細かくなり
時おり
小夜時雨
さよしぐれ
がぱらついて
もの寂しさを感じることが
多いかもしれません
でも
夜の帳とばり に包まれて
落ち着いた時間を持つのも
この時期ならではの過ごし方です
草枯れの冬までみよと露霜の
置きて残せる白菊の花
詞花集 曽禰 好忠
草が枯れて
何もない冬まで咲き誇ったいたいと
露霜を置いて咲き残っている
白菊の花の何といじらしいことよ
おはようございます
乱蔵 デス
日曜日に 届けられなかった
カケラでした
二十四節気七十二候 は
二ヶ月間の休養中にも
たくさんありました
いずれ 届けたいと思います
乱蔵は 今日より 金曜日まで
また 山奥へと
通信速度 遅くなってしまうので
みなさんのところへは
夜に 伺います
今日も 素敵な一日となりますように