東京上野
東京国立博物館で開かれている
「京都大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ展」に行って来ました。
先日、奈良と京都に行って感じたことですが
仏像は寺院に安置されているのを拝観するのが本来の見方です。
仏像は単体で完成しているものではありません。
伽藍の造形や光の当たり方まで考えられて作られているものです。
これは正論なのですが
実は大きな問題が。
ほとんどの場合、暗くてよく見えないんです。
場所によっては、金網越しにしか見られないところもある。
暗い場所でしかも遠目にしか拝観できない。
寺院に訪れた場合によく出くわす、がっかり事の代表ですね。
その点、ミュージアム展示はじっくり見られますから
寺院の空気感は無くともその分、仏師の息遣いが伝わってきます。
今回の、大報恩寺展もその意味でとてもいい体験でした。
これは、釈迦の10大弟子の彫像。
※写真引用 公式ホームページ
※引用:展覧会ポスター
仏像はたくさん存在するのに比べ、10大弟子の彫像は少ないんです。
それを快慶は見事に掘り上げました。
制約の多い、仏像に比べこちらは対象が人間ですから快慶の純粋な彫刻家としての
姿がかいま見えました。
実在の人物たちですから、息遣いや意思が伝わってくるのに元れました。
さて、こちらはやはり慶派の代表的仏師、定慶による6体の菩薩像。
※引用:公式ホームページ
古代インドに伝わる6道輪廻。
天・人・修羅・畜生・餓鬼・地獄
人は生前の行いによりこの6界のいずれかを巡って転生を繰り返すという思想です。
6つの世界にはそれぞれに菩薩様がいて民衆を救ってくださると信じられていました。
こちらは、天の世界で人々を守る聖観音菩薩。
ミュージアムでは何故か、この一体だけが撮影OKでした。
先日の、奈良・京都といい最近は仏像三昧ですが
次から次へと知らなかったことが出てくるので飽きませんね。
しかも、仏教美術全盛時代というのは仏師たちが魂込めてノミを振るっていますから
1000年、2000年と人々を感動し続ける力を持っています。
それは今後もずっとずっと続くでしょう。
気の遠くなるような歴史の流れの中に
ポン!と自分を置いてみるのは悪くない行為です。
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