今日も雨だ。

いつも桜の季節になると、

鬱屈した気持ちになるのは

どうしてだろう。



「バリカンで襟足を刈ってほしい!!」

バベルのかわぞえさんからの

突然の電話だった。


かわぞえさんとは大人になる前の

18歳、19歳で出会ったので

もう9年にもなる。


「信号待ちしながらミルクティーを飲もう」

「髪切るのについてきてほしい」

「公共料金を支払うところ見ていてほしい」

…懇願された時はいつも何かあった。


思い出とは、

こうゆうときに

生まれるのかもしれない。。


かわぞえさんの家に向かった。


家に着くと笑顔で迎えいれ、

料理も振る舞ってくれた。


納豆のスパゲティを食べながら、

かわぞえさんをふと見ると、

どこか寂しげだった。


私「バリカンなんて持ってたんだね。」

かわぞえ「麻婆に借りたんだ。」


※麻婆とは、スタミナパンというコンビの

ヒゲのお母さんの方だ。 

麻婆のことを知りたい方は、

単独ライブが近々があるらしいから

そこに行けばわかると思う。


私「失敗したらごめんね」

かわぞえ「大丈夫、上げてる髪を

被せるから適当でいいよ!

だから、ひと思いにやってくれ!

俺を悲しみの坩堝から解放してくれ!

ちくしょうめい!女なんか…」


……


雨は、あがっていた。。


信号が赤から青に変わり、

そこにはミルクティーではなく、

お酒を飲みながら歩く

少し大人になった僕らがいた。



そして、今日も生きていく。