文庫本紹介 ~病室のシャボン玉ホリデー~
私が所属している
「日本モロッコ協会」で、
私と同じ常任理事を務めておられる
渡辺岳人氏に
先日
一冊の文庫本を頂いた。
その本の名前は
「病室のシャボン玉ホリデー」。
これがその文庫本。
副題に
「ハナ肇と過ごした最期の29日間」とある。
著者は
「なべおさみ」
ある程度年配の方なら
誰でもご存知だと思う。
私は本が大好きだし、
ちょうどその時
ある本を読み終えたばかりだったので、
ありがたく頂戴し、
すぐに読み始めた。
内容はというと、
副題にもある通り、
癌に侵されたハナ肇と
病室で過ごした
亡くなるまでの最期の29日間を
克明に書いてある。
人の死を見つめながら
その人や
周りの人について書くと
つい湿っぽくなるものだが、
なべおさみ氏の人柄だろうか、
悲しい出来事ではあるのだが、
つきっきりであればこそ気付く
細かな心理描写があったりして、
湿っぽさを感じさせない書風である。
たとえば、
見舞い客は
ザ・ピーナッツ、
クレージーキャッツのメンバーといった
芸能界の面々。
その中の一人、
布施明が提案します。
「これだけのメンツがいるんだから
『シャボン玉ホリデー』をしようよ」。
谷啓さんが居る、布施明が居る、なべおさみが居て、
何よりザ・ピーナッツが居るのだ。
ディレクターの小郷英武も居る。
かくして
病室で
「スターダスト」を静かに歌いだすザ・ピーナッツ。
一人の大物芸能人の死と、
周囲の温かい目が交錯する、
面白くも悲しいストーリー。
私は
できるだけ人の不幸を描写する
映画や本などには
触れないようにしているのだが、
この本は
頂きものであったこともあり、
完読した。
しかし読後に
全く悲しみを感じさせないような、
そんな内容だったので
ちょっと驚いた。
いかに師匠と付き人との関係であろうとも、
ここまで人に尽くせるだろうか、
多分私にはできないと思う。
なべおさみ氏の人柄は、
尊敬に値する。
だから皆さんに
こうしてご紹介している次第です。
この本は
文学本ではありませんが、
心理描写が
じつに微にいり細にいり、で
彼の感性が
いかに鋭いものであるかが分かります。
因みに
この本を私に下さった
日本モロッコ協会の常任理事
渡辺岳人氏にとって、
なべおさみ氏は
彼のおじさんに当たります。
そのおじさんの本が
文庫本化して再発行されるにあたり、
本好きの私に
1冊下さいました。
おかげで
いろいろと考えさせられる
良い本に巡り合いました。
基本的には、
人の死を描いた本ですので、
何としてでもお読みください、とは言いませんが、
こんな本もあるのだな、ということで
ご紹介だけしておきます。
