雨上がりのバラ ~水晶のきらめき~
武蔵野に
静かな雨が降る。
静かな雨は
木々や花たちに
優しい。
その雨が止んだ時、
まるで水晶の玉のように
雨粒が葉の上できらめく。
バラの若葉の上は、
大地に落ちる前の
雨の踊場。
お互いが
引き立て合う
自然の組み合わせ。
花の蕾は、
飛来した虫にかじられているけれど、
その傷を補うような
雨粒のやさしさ。
水を得て喜ぶのは、
魚だけではない。
もうすぐ来る冬に備えて、
株に養分を蓄えるため、
これからがこの葉の出番。
最後の花を咲かせた後は、
しばしの休眠に入る。
「髪はカラスの濡れ羽色」。
「水も滴るいい女」。
水が絡むときれいに見えるのは、
髪や人だけではない。
少しの水は
バラの蕾や葉も
綺麗に見せる。
武蔵野の、
雨上がりのひと時。



