牛鍋元祖「太田なわのれん」 ~横浜の素晴らしい夜~ | Totoronの花鳥風月

牛鍋元祖「太田なわのれん」 ~横浜の素晴らしい夜~



「人生は邂逅である。」




私はそれを大事にして今まで生きてきたし


これからも生きるつもりであるが、


それこそ、


まだ知り合っていくらも経っていない方から、


横浜へご招待を受けた。






そして連れていかれたのが、


横浜市中区末吉町の


「太田なわのれん」。





どのようなところかというと、


明治元年創業の


牛鍋元祖。


老舗中の老舗である。




事前に調べたら、


とても私などが行けるところではなさそうだったのだが、


呼んで下さった方が、


神奈川県の実業界では


知らない人はいないというほどの方だったので、


大船に乗ったつもりで出かけていった。





その


「太田なわのれん」



Totoronの花鳥風月-yh1


入り口には、


名前の通りの縄のれんがかかっている。




明治元年といえば、


近隣に牛などを飼っているところも多く、


外ではハエが飛び交っていたのだが、


そのハエが


店の中に入って来るのを防ぐのに、


縄のれんが相当有効だったらしい。




食べ物を扱うお店だから、


当然古くなったら新しいものに取り換えはするが、


そのころからの縄のれんである。






玄関を入ると、


日本人ならきっと


ほとんどの人が知っている


横山隆一先生【明治42(1909)年5月17日~平成13(2001)年11月8日】の


「フクちゃん」が迎えてくれる。



Totoronの花鳥風月-yh2


「なわのれん」のために書かれた画だが、


鍋の形が


今と同じであることを


後の写真で確認していただけると思う。




不変の牛鍋である。




部屋に入ると


わずか3人でこの贅沢。



Totoronの花鳥風月-yh3



庭に面して景観も最高なのだが、


あいにく夜なので


読者にはわかっていただけないかもしれない。





そこに料理が乗ると


こんなににぎやかになる。




おのずから


みんなの顔もほころぶ。




Totoronの花鳥風月-yh4


写真左から、


株式会社鶴見精機 


代表取締役会長 岩宮 浩様。


(神奈川県生産性本部副会長)。



中央は筆者。



右が


神奈川県生産性本部


専務理事・事務局長


宮崎 汎 様





どのような料理が出るのかを


一つずつ書くわけにはいかないが、


代表してこのようなもの。




マグロ、カンパチ、アオリイカ、ウニ。



Totoronの花鳥風月-yh5



これは料理の前菜みたいなもの。



いわゆる酒の肴です。





本番の


牛鍋とはこんな鍋。




Totoronの花鳥風月-yh6


中心部にある黒いたれは


「秘伝の味噌だれ」。



フクちゃんの絵では、


焼いている肉まではわかりませんでしたが、


鍋と七輪と、


それを入れている四角い容器は


当時のままであることがわかります。





焼いている肉が


霜降りの絶品であるのはご覧の通りですが、


他の牛鍋屋さんと違うところは、


肉だけではありません。





調理をしてくれる方が一人ついて、


一番おいしい食べごろの肉を


客のお皿に運んでくれます。




客はもう、


一緒に来た者同士で、


肉のことなど気にせずに


話ができます。



Totoronの花鳥風月-yh7



余りにもおいしそうな肉だったので、


立場も忘れて写真を一枚。




ここに連れてきて下さった岩宮会長は、


それがうれしそうで満面の笑み。




お店にとっては、


お客様の笑顔が一番、


これで十分なのです。




この


おいしい肉料理を堪能した後に、


伊勢佐木町のスナックに連れて行ってもらいましたが、


そこの店が


また素晴らしい気遣いの女性ばかりで、


何とも言いようのない幸福な夜を過ごしました。





「太田なわのれん」は、


私がパンフレットをいただいてきましたので、


こうして案内できますが、


2件目のスナックに至っては、


店の名前も


ママさんの名前も、


全く聞いていないので、


皆さんにご紹介することができません。




名店とは


こうあるべきか、


今夜気づいたことを記します。




飲食店でも飲み屋でも、


いかに銀座といえども


常連さんが連れてきた客には、


ママさんやオーナーが


一応名刺を出して


「よろしくお願いします」の一言くらいは言うものだが、


この2件の店では


名刺はおろか、


店の名前も自分の名前も、


そしてその後のお誘いも


全くなかった.





それはなぜか、


私なりに考えたのだが、


きっとそれはこの一言に尽きると思う。




「連れてきて下さった方が自分の店のお客様で、


その方を差し置いて、


この次はご自分で是非お出でください、などと


大事なお客様を前にして


差し出がましことは決して言わない」 。




そのような、


いつもお世話になっている人に対する


徹底した気遣いではないかと思うのは、


私の考えすぎだろうか。




素晴らしい横浜の夜はふけて、


我が家に帰りついたのはちょうど日にちが変わる寸前の


23時55分ごろであった。




昼間に


突然の訪問者ヤマガラを迎えて、


夜は横浜で気遣いに接し、


素晴らしい一日でした。





たまにはこんな日があってもいい。