フヨウ揃い踏み ~秋色に咲く花達~
フヨウは、
7月頃から咲き始め、
10月頃まで咲き続けるが、
やはり今頃の花色が
一番美しく感じる。
ちょっと色気づいているが、「白花芙蓉」。
花びらが薄く、
どちらかというと可弱いので、
大雨と
風に花びらを傷めるが、
少しだけなら
可弱さゆえに美しさが際立つ。
「芙蓉」とは、
ハスの別称としても使われ、
古典などにも引用がある。
白楽天が
『長恨歌(ちょうごんか)』で楊貴妃を
「芙蓉如面柳似眉」(面(かお)は芙蓉の如く、眉(まゆ)は柳に似る)と例えた芙蓉は
ハス。
『源氏物語』の
「桐壺(きりつぼ)」の巻の
太液(たいえき)の芙蓉も、
太液池のハスからの引用。
だから
木のフヨウは
当時
「木芙蓉(もくふよう)」と呼ばれていた。
「ピンクのフヨウ」。
ピンクでも
ショッキングピンクなどと違い、
実におしとやかなピンクである。
雨の後の
澄んだ空の青に良く似合う。
水滴を花面において、
短い命を輝かせる。
こちらは八重咲きの芙蓉。
早朝白色で咲き、
昼前にはピンクに色づき、
午後からは
その色が赤に近くなり、
夕日を浴びて、
真っ赤な夕日色に染まる。
誰が呼んだか、
その色の変化を、
お酒がまわってくる時の
色白の美人の酔うさまに例えて、
「酔芙蓉」 とは
よくぞ名付けた。
日本一美しい富士山の峰を
「芙蓉峰」 と呼ぶに至って、
いかにフヨウが
みんなに愛される
美しさを持っているかが良く分かる。
太陽が昇る前に咲き、
太陽が沈む前にしぼむ
一日だけの花なのに、
実に潔(いさぎよ)い花である。





