ヒヨドリと私 ~思いは時空を超えて~
武蔵野は、
この時期になると到る所で花が咲き乱れ、
花の話題には事欠かないが、
しばらく植物ばかりが続いたので、
ここら辺りで
鳥達にも登場してもらいましょう。
庭の梅の木に付けてある
蜂蜜をうすめた液を入れる
小さな容器。
飛んでくるメジロ夫婦のために付けたやったものだが、
そのメジロが
蜜液を飲む姿を見て、
シジュウカラも飲むようになり、
更にスズメまでが学習して
飲むようになったのには驚いた。
しかし、
良く見ていたわけではないのに、
いつ頃からか、
ヒヨドリが来て
小鳥たちを追い散らし、
その蜜液を飲むようになった。
今日はその
蜜液を飲む時の
ヒヨドリの様子をご覧ください。
飲んでいる時の姿だけ見たら、
他の小鳥たちと
何ら変わらない。
だけどこの前に、
起こす動作が憎らしい。
メジロや
シジュウカラを
とりあえず追い散らすのである。
ま、
ヒヨドリが他の小鳥たちを
取って食おうとしているのでないことは
他の小鳥たちも承知しているから、
追われたら
近くに避難するだけで、
尻に帆かけて逃げるわけではないが、
少なくとも
食事の邪魔はする。
蜜液の容器は
メジロ用としてはこれで十分なのだが、
ヒヨドリは体が大きいので、
飲み始めるとすぐになくなる。
最初から、
余り入っていなかったので、
今日は蜜が底を付いた。
無くなったことは分かるのに、
こんなことをするから
鳥達はかわいい。
メジロも時々
同じようなことをする。
容器の外側に付いた
わずかばかりの蜜の味を
味わっているのだろうか。
だけど
そんなところには決して付かない。
そんなところを舐めたって
蜂蜜は付いてないよ!
お腹が満たされずに、
もう少し欲しそうである。
他の小鳥を
いじめさえしなければ、
すぐに新しい蜜液を
入れてやりもするのだが、
自分の徳の限度をわきまえ、
少しは我慢をしなさい。
あのね!
そんなところから飲んでも、
ないものはないの!
自分がみんな
飲んでしまったのだから、
分かっていそうなものだけど、
空きっ腹にはかなわない。
この姿を見ると、
幼い昔、
出た食事だけでは満たされず、
もう少し食べたい時に、
良くこうやって
皿をなめていたことを思い出す。
洗う必要がないくらい
奇麗になめていた。
親からは、
そんなことはやめなさい!と
叱られたものだが、
本当は親は
そんな子供の姿を見て、
たくさん食べさせてやれずにごめんね、と
悲しんでいたかもしれないし、
お腹を満たしてやれない自分達を、
ふがいないと
嘆いていたかもしれない。
今思えば、
罪なことをしていたものだ。
ヒヨドリの姿に、
幼い頃の自分を重ね合わせ、
今は亡き両親に思いを馳せる。
思いは、
いつ何時
時空を超えて
どこにジャンプするのか
全く分からない。
不思議なものである。




