日展作品観賞 ~国立新美術館~
現在開催中の
日展。
5つの科に分かれ、
それぞれ次の数の作品が展示されている。
第一科 日本画、 216点
第二科 洋画、 598点
第三科 彫刻、 115点
第四科 工芸美術、 476点
第五科 書、 967点
合計作品数 2,372点
一日がかりで、
足を棒にして見ても、
すべてを見ることはできないくらいの数である。
私は
毎年見に行っているが、
近頃は、
興味のある科の
好きな作品の前でしか
足を止めない。
国立新美術館は、
地下鉄の
「乃木坂」駅から歩いてすぐだが、
今年は「六本木」駅で降りて
歩いてみた。
地上に出ると
すぐ目につくのがこのビル。
東京ミッドタウン。
ビル自体が名所になる東京だが、
中に入ると
なるほどと思わせるような充実ぶりではある。
六本木ヒルズ森タワー。
最先端のIT企業やライブドアなども入っていたビル。
話によれば、
ライブドアはもうすぐ
その名前が消えるらしい。
このビルに入っている企業は、
それ程浮沈が激しい。
そして最終目的地
国立新美術館正面入り口。
私の良く利用するJR中央線の駅は
国立(くにたち)駅だが、
ここは
国立(こくりつ)新美術館。
外国語学校の生徒達だろうか、
周りで英語でも会話が弾む。
ここに出入りする人は、
老若男女、国籍を問わない。
この美術館は、
ここから見るのが
一番美しいのだが、
来場者で、
ここまで来てビルを眺める人は
皆無に等しい。
もちろん、
中の作品を見に来ているのだから、
ビルなど見なくてもいいのだが、
「木を見て森を見ず」にならないように
気をつけたい。
作品は、
2,000点以上もあり、
素晴らしい作品がたくさんあるのだが、
無断で掲載もできないので、
2点だけにとどめる。
私の陶芸の大師匠、
荒木俊雄先生の作品。
今年も、
得意の赤を見せていただきました。
作品名「指標」
「指標」とは
目指すべきところであり、
目指すべきものであり、
目指すべき精神であり、
その意味は深い。
展示されている作品は
独特のツヤがあり、
写真よりはるかにきれいだ。
会場で荒木先生とお会いして、
いろいろお話をお伺いしましたが、
年齢を重ねるにしたがって濃厚さが増す。
反対側からの顔も、
正面と何ら変わりない。
作品に
裏表があってはいけないという
荒木先生の真骨頂である。
さて、
その荒木先生を尊敬してやまない、
東京芸術大学学長
宮田亮平先生の
イルカの作品。
作品名の主題 「シュプリンゲン」はいつも一緒で、
今年は副題が「翔」。
ちなみにシュプリンゲンとはドイツ語で、
「飛躍」「飛翔」「空高く飛びめぐる」などの意味があり、
副題の「翔」と重複するが
きっとわかりやすく書いていただいているのだろう。
そのテーマの通りに、
イルカが波間を
翔んでたわむれている。
「鍛金・アクリル・截金」と
3つの技術を駆使した作品。
出身の佐渡を出て、
東京芸大を受験するため
乗ったフェリーの上から、
波間を飛びながら泳いでいるイルカたちを見て、
いかにも自分を見送ってくれているように思え、
非常に元気づけられた、と
後日談で語っておられる。
そのイルカが
生涯のテーマになった。
私も
荒木先生に紹介していただいて、
何度かお話をする機会があった。、
孫を猫っ可愛がりする好々爺の顔を
平気で見せる気さくな方だが、
作品作りに取り掛かると、
その顔は一変する。
この作品は、
イメージを
葛飾北斎(冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏)に
北斎の描く
富士の見える海で、
荒波を楽しんでいるように見えるのは
私一人ではあるまい。
今年の作品は、
何となく素人目にも理解できるような作品である。
作品の紹介は、
2点だけだが、
嫌というほどの作品が展示されている日展。
是非一度足を運んでご覧になったらどうでしょう。
芸術の秋は、
ためらっている間にすぐに終わります。
「ヘタな考え休むに似たり」とは、
よくよくやさしい人の言葉で、
私はそうは思わない。
「ヘタな考え休むに劣る」
考える暇があったら、
まず動く。
これが一番。









