酔芙蓉の1日 ~燃え上がる命の美~
アオイ科の植物について、
少しふれた。
タチアオイ、
トロロアオイ、
モミジアオイなどの
葵の付くものはもちろん、
オクラ、
ムクゲ、
ハイビスカスなども
アオイ科。
もう一つ
芙蓉。
これもアオイ科。
今日は
その
スイフヨウ(酔芙蓉)について記す。
スイフヨウの一日。
6:34
朝日が射し始めた頃には、もう完全開花。
ジュエルなどと違って、
早起きの花。
8:34
気持ち色づき始めるが、
しかし、、遠目にはまだ白。
その時の1輪。
8:34
それから2時間も経つとこうなる。
10:44
ほのかに紅がさす。
更に2時間。
12:27
遠目にも朱がさして、
恥じらうような表情がいい。
その時の1輪。
ほんのりと色気さえ漂う。
いよいよスイフヨウの本領発揮。
更に2時間。
14:26
大人の雰囲気が漂ってきた。
空に向かってさえ、
堂々としたたたずまい。
我が人生に、隠し事なし。
天に何ら恥じることなし。
その態度に、
いよいよ美しさがいや増す。
更に2時間。
16:28
完全に真っ赤に色づき、
もう熟女のいで立ち。
そこいらの花はお呼びではない。
大の男でも
思わず尻込みするような、
大人の雰囲気。
遠ざかる太陽に向かって、
「もう行くのかい?」
「しばらく相手してくれてもいいだろう?」
盛りの花は問いかける。
太陽が
西に傾けば、
そりゃぁ、もう少し、
命を長らえたいだろうと思う。
この美しさで終わらせるのは
誰が見ても惜しい。
しかし、
万物をつかさどる太陽は、
決してスイフヨウだけに
甘い顔は見せない。
非情とも言うべき時は過ぎ、
更に太陽は西に傾き、
花たちに
さよならをする。
それからしばし時は経って、
17:54
太陽の遠ざかるのを見て、
1日の終わりを悟り、
スイフヨウは
静かにわが身を閉じ始める。
一気に燃え上がった花たちは、
自分の命の終わりを知っている。
何の未練も持たずに、
花びらを閉じ、
その生涯を終える。
余りにもはかなき花の命。
一気に燃え上がればこその
この潔(いさぎよ)さである。
太陽よ、
去りたくばされ。
われはその前に
わが命を閉じよう。
太陽が昇る前に
全開して太陽を迎え、
太陽が姿を消す前に、
己の命を閉じる。
スイフヨウは、
それを見る人にも、
いろいろと示唆してくれる。
あなたの人生、
限りある命、
今、
燃え上がっていますか?
いつでも命を閉じられるほど、
全開で燃え上がっていますか?
<追記>
この芙蓉を、
人の酔いに例えて
「酔芙蓉」 と名付けた命名者は、
オオイヌノフグりとか
ヘクソカズラなどと名付けた
命名者に比べて、
はるかに風流を解し
賢人であるか
想像に難くない。
この花は、
初めに
そんな洒落た人に
出会えてよかった。














