夏の足 ~人類滅亡の序章~
考えてみれば、
教育課程を修了し、
社会人になってから
長い間
太陽にさらすことのなかった足。
私のプロフィールにもある通り、
帰ってきてまずやることは、
靴下を脱いで
裸足になること。
ネクタイと靴下に、
縛られていた体。
自由な身になって
それを開放してやったら、
足がいかにも元気そう。
(あまりに直接的だと醜いので、お風呂の水の中でソフトフォーカスにして撮っています)
裸足になって
夏でも冬でも、
いつでも素足。
どんなに雪が降っても、
どんなに霜が降りても、
裸足は変わらない。
自分を支える大事な足なのに、
およそ40年もの間
日の目を見せずにこき使ってきた。
解放された足は、
太陽をいっぱいに浴びて、
本来の肌になり、
我もここにあるぞと主張する。
すねから上は
まだ青白いが、
そのうちそこも
思いっきり太陽に当ててやろうと思う。
忘れていた太陽の暖かさと
光の恩恵を
体の至る所に当ててやろう。
光には
生き物の成長を促進する
不思議な力があると聞く。
そんな太陽のもとに帰りたい時、
簡単には帰れなくなる事故である。
長い長い地球の歴史の
そして
わずかな人類の歴史の中で、
いかにも一大事みたいな出来事が
人類の上に起こり、
それでも地球の歴史は
そんなことは
蚊に刺されたほども感じない様子で、
脈々と続いて行くのが
おいてけぼりを食っているようで
少し淋しい。
地球の歴史と
人類の歴史を
分かりやすいように
距離に換算して比較してみよう。
人類が進化し始めてから今に至るまでを
およそ5万年と想定し、
その長さを1mm(1ミリメートル)に置き換えてみよう。
すると
50万年が1cm、
500万年が10cm。
5,000万年が1m。
5億年が10m。
地球の歴史は
約45億年と言われるが、
分かりやすいように
50億年とすると、
50億年は100m。
地球の歴史の流れ50億年を
100mと仮定した時に、
人類の歴史は
直近の、
たったの1mmでしかないのである。
その1mmの歴史しか持たない人類が
いかにも100mもある地球の歴史を
背負っているかのように慢心し、
制御もできぬ核などを
自由にしようなどと
大それたことを考えた時に
人類は神の怒りに触れたかもしれない。
地球にとっては、
人も
ゴキブリも、
すべて取るに足りない存在なのに、
人はどうして
ここまで
傲慢になれるのだろうか。
鼻緒の跡が
くっきり付いた
自分の足をみつめながら、
今にもぷっつり切れそうな
遠い未来に思いを馳せる。
人類は
この先本当に生き延びていけるのだろうか。
人類滅亡の序章が
日本発であるとしたら、
余りにも悲しい。
足が地につかない。
