習作の骨壺 ~花器専用として活用~ | Totoronの花鳥風月

習作の骨壺 ~花器専用として活用~



富士宮の


我が陶芸の師匠の家に、


しばらく滞在した時に、


泊めて頂いた部屋でふと目にした作品。


Totoronの花鳥風月-syu3


これは私が、


骨壺のデザインを彫り始める前に、


師匠が


素焼前の一つの壺を持ってきて、


これを使って彫る練習をしたらいい、と


私にあてがってくれた壺。




亡き父と母、


そして私と妻の骨壺を作った事は


「1人に1つだけの陶芸作品 ~その正体はこれ!~」  で書いた。




窯に入れる時は、


それは習作だから、


わざわざ焼いてもらわなくてもいいです、と


言っておいたものだが、


それが


青磁の製品として焼き上がり、


私の休む部屋に


さりげなく置いてある。



Totoronの花鳥風月-syu2

父のイメージの


報才蘭の花と、


母のイメージの


ヒマワリと太陽のデザインや、


妻の誕生月のコスモスの花などを


試し彫りした壺。






素焼前の白磁の壺は


形ができているだけで、


ちょっとしたショックで割れる


砂を固めたようなもろさを持つ。






だから、


ナイフで容易にデザインを彫ることができ、


夏のイメージのアサガオも、


立体的に彫りだしたり、


あるいは逆に


彫り込んだりして、


練習した壺である。



Totoronの花鳥風月-syu1



自分の習作として、


製品にしたい希望はあったのだが、


プロにお願いをしている以上、


高価なものだから、


余分なものは作れまいと、


あきらめていた作品。






「なぜここに?」






だから、


すぐに聞いてみた。




すると、


一回窯をたくと、


4個や5個だけでは


とても窯に火が入れられないから、


他の磁器と一緒に


この習作も


釉薬をかけて一緒に焼き上げたのだという。






だからそれは、


ここに置いていてもどうしようもないから、


持って帰っていいよ、との


うれしい心遣い。





最初から


私にやるつもりで焼いたのだが、


本人が


焼かなくてもいい、と言っていたので、


他の骨壺とは


一緒に送らなかったのだそうな。






本来ならば


有償なのだが、


これについては、


無償でやる、と言っていただいた。






滞在中、


田子の浦での魚釣りでは


魚は一匹も釣れなかったけれど、


私にとって


この壺は


とてつもない大物が釣れたのと同じこと。




感謝、感謝である。






でも、


父や母や、


妻のためのイメージ画が彫ってあるため、


誰の骨壺にも使えないし、


それに我が家には


すでに私のものも


妻のものも


作っていたので間にあっている。






だからこれは、


貴重な我が家の


手作り花器として、


永遠に使わせてもらうことにした。





蓋は不要なので、


部屋の奥にしまっておこう。






今度の


富士宮での命の洗濯は、


命だけではなく、


骨まで洗ってもらったような


さわやかな気持ちになった。






やはり


持つべきものは良き師匠である。





改めて、


師匠に 感謝!