冬のバラ ~最期の気高さ~ | Totoronの花鳥風月

冬のバラ ~最期の気高さ~


一季咲きのバラは、


早くから冬籠り体制に入り、


花はもうない。




然し、


四季咲きのバラは、


小さいながら


今、


今年最後の花を咲かせている。






春から咲き始めて今まで、


間断なく咲き続け、


ようやくひと時の休息に入る前、


最後の気品を漂わせる。






12月は、


来年のために


株を切りそろえる必要があるため、


それらの花を切り花にして


部屋に取り込んだ。





Totoronの花鳥風月-bara1



居間に置かれた「ラブアンドピース」「スーパースター」





盛りの頃とはいずれも色調が違い、


やはり季節を感じさせる。





むしろ、株に付けたままにしておくと、


この頃の気候のせいで、


なかなか花は散らずに、


随分と長く咲いているのだが、


エネルギーを使うので、


株に休んでもらうための切り花である。






暖房の効いた部屋では、


花の寿命が短くなるが、


その間、


四六時中人に安らぎを与えてくれる。







Totoronの花鳥風月-bara2



玄関を入ったところで、強い逆光に負けず輝く「カクテル」。




もうほとんど光に溶け込み、消え入りそうな赤になっているが、


赤を表現させたらこの人の右に出る人はいない


と言われる名人作の赤い花器から


その赤を吸い上げ、


どっこい強く生きている。






Totoronの花鳥風月-bara3



プライベートルームの小さな卵型の花器の中で、


「カクテル」と「ラブアンドピースの蕾」は、お互いをいたわり合う。





居間の写真の花器と同じで、


この乳白色の白磁の花器は


赤の名人の奥様の作。





純白ではないこの白は、


白なのに


ぬくもりさえも感じさせる絶妙の白である。






バラは花器と出合い、


花器はバラと出合って、


こころ安らぐ空間を作る。





バラは


いつでもどこでも


その気高さを失うことはない。






その株は、


じっと静かに春を待つ。




季節の風景、12月。