ボジョレーヌボー ~日本人の大騒ぎに思う~
ボジョレヌボーとかボージョレヌーボーとか、
呼び方はいろいろあるが、
そんなことはどうでもいい。
ボジョレーヌボーを
早速買って飲んだら、
「おいしかった!」という感想をよく聞く。
私は
アルコールで飲まないのは、
メチルアルコールだけだと自負しているが、
ボジョレーヌボーを
おいしい、と思ったことはない。
ボジョレーヌボーは
フランスはボジョレー地区で作る
ヌボー(今年のワインの出来を見るために急速発酵させて醸造した試飲新酒)であると認識している。
だから、通常のワインと違い
じっくり熟成したものではなく
その分
いわゆる高級ワインとは
基本的に味が違い、
少なくとも
おいしいワインの中に入るものではない。
安いから買う、とか
初物ワインの感覚で手に入れるとか、
そのレベルでの購入だったら
特に何も言うことはないが、
「おいしい」と評価する人に対しては、
何をかいわんや、である。
日本人の
いわゆる初物好きで飲むのはよかろう。
でも、
初物が出るのは、
ボジョレーヌボーだけではない。
タケノコや柿などの
季節ものは
その時しか味わえないが、
たとえばカツオ。
あれは一年中とれて、
初ガツオなどは
おいしいからではなく、
初物だから喜ぶいだけのものである。
魚は、
産卵する前の
脂の乗り切った秋口から冬がおいしいに決まっており、
カツオも下りガツオが一番おいしい。
春のカツオは
本来なら
脂が全く乗っていないから、
鰹節にするには最適だが、
生で食べておいしいというほどのものではない。
鮮度もおいしさの一要因ではあるが、
筆頭ではない。
そうういう意味で
ボジョレーヌボーに大騒ぎをする
日本人の気持ちが私には全く理解できない。
スーパーやレストランは、
売らんかな主義で騒いでいるのだから
それはそれでいい。
問題は
それを買って飲み、
おいしいと言っている人にある。
ワインのなんたるかを全く知らずに
恥ずかしげもなく
そんなことを言う。
蓼食う虫も好き好き、というから
ボジョレーヌボーを
おいしいという人がいてもおかしくはないが、
そんな人は
所詮
蓼を食う変わり者の虫と同じ。
ボジョレーヌボーは
そのほとんどが日本に持ち込まれ、
何も知らない日本人がそれを飲み、
おいしいと騒いでいる。
そんな風景を見て
フランス人がどのように言っているのか
聞かせたいものである。