作品紹介 9 ~版画・龍~
年賀状に
版画を作成して使おうと思い立ち、
やってみて
結構手間がかかることに見づいたのだが、
何人かの人から褒められて、
その気になって作り始めた初期の作品。
だから、
まだ年号も、
名前も、
新年を寿ぐ言葉も入っていない
デザインだけの作品。
でも、
やり始めたばかりだったから、
熱意だけはありました。
この上から、
筆で挨拶文を一人一人書き上げます。
バレンで色を映し、
乾くのを待って墨で書きますが、
書いた後もまた、
墨が乾くのを待ち、
初めてハガキを重ねられます。
結構な手間がかかり、
これだったら淡彩画を
さっさと一枚ずつ描いた方が
早かったかもしれない、と思いながらも、
もらった人が喜んでくれる姿を想像したら、
やはりやめられない。
精一杯の年賀状作成が、
これから延々と続きます。
版画のなんたるかを知らない初心者は、
図柄が、
彫りあげるのに
非常に手間がかかるかどうかも
考えずに作るため、
平面彫刻とはいえ
そこそこ苦労をしました。
しかし、
一年に一回だけの
気持ちの便り。
思いを込めて作りました。
今見返すと、
余りにも一生懸命彫るのに夢中で、
この龍は、
目玉を入れることを忘れたか、
あるいは目の玉を誤って切り取ってしまったのかも知れない。
「画竜(がりょう)点睛(てんせい)を欠く」 とは
まさにこのことでした。
ちなみに、
点睛するとこうなります。
ちょっと小さなかわいい目になりますが、
こうして見ると、
やはりあった方がよい。
この年賀状、
あるいは一番最後に
手描きで
睛(瞳)を描き入れて出したのかも知れない。
いや、きっとそうだろう。

