作品紹介 8 ~彫刻から版画の世界へ~
聖観音立像製作に、
相当な精力を使い果たしたが、
やればできる、と確認できたため、
立体彫刻より
少し楽そうな平面彫刻・版画の世界へ、
これまた誰の指導も受けず飛び込みました。
なぜ版画?
いつだって私の考えは、
不純といえば不純、
でも、
合理的と言えば合理的。
毎年、
年賀状は
水墨画調に、
朱色を使って背景を
何十種類も手描きで描いていましたが、
版画にすれば
それが一枚で済む、と
考えたのです。
それが、
将来に非常な負担となってこようとは、
この時は全く考えもしませんでした。
だから、
意気揚々と
一枚の版画を完成させました。
保存している年賀はがきですので、
色調が変化していますが、
これに、
「謹賀新年、。本年もよろしくお願いいたします」
などと書いて一枚ずつ仕上げます。
彫る前は、
イメージとして
非常に楽そうに思えたのです。
然し、
線が主になったデザインは、
削り取る部分が多すぎて非常に苦労し、
また、
細い線を残さなければいけないので、
これまた細かい神経を使いました。
でも、
立体彫刻からすれば
まだ楽。
彫刻刀で描く絵画みたいなものです。
ただ、
原版に色を付けてハガキを乗せ、
一枚ずつバレンで色を写し取る作業を、
100枚、200枚とするのが
結構大変であることに、
やり始めてから気が付きましたが、
もう後戻りはできません。
後年
作品には
「迎春」や「寿春」の文字と、
そして「西暦」と「自分のサイン」を
一緒に彫り込みましたが、
この時はまだ
そこまで気が回っていませんでした。
苦労して完成させた年賀はがきをみんなに出したら、
新年になって、
何人かの友人、知人から、
驚きと称賛の返信が届き、
その声が
励みにもなり、足かせにもなり、
やめるにやめられず
今なお続いています。
ある人からは、
「一番最初からあなたの作品を大事に保管している」
と言っていただき、
この一言で
またやめられなくなっています。
そんな作品ですが、
少しずつアップしていきますので、
どうか飽きずに見てやってください。
