僕は退職願を提出したのです。
・・・のつづき
社長は僕の差し出した退職願を見ると、応接室のソファに座らせました。
「話してみ」社長は優しく言いました。
僕はどうしても挑戦したいことがある事、それを考えると仕事が手に付かない事を正直に話しました。
黙って僕の話を聞いた後、社長は今まで自分も好きなことをやってここまで来たから引き止めるような事はしない。と言いました。
でも、90%失敗するぞ。とも言いました。
自分の会社に居た者が悲惨な人生を歩むのは黙って見てられへん。
そう続けました。
もっともな話です。
僕が今、悲惨な目に合わずにブログを書けている事はたまたま運が良かっただけかもしれません。
それともこれから悲惨な人生が訪れるのかもしれません。
ですが僕はまだ現状を変える気持ちはありません。
僕が行っている事は最もリスクの少ないビジネスだと思っているからです。
会社を辞める時もそれが頭にありました。
多大な借金を背負って会社を立ち上げるわけではありません。
止めようと思えばいつでも止めて新たな道に進む事も出来るのですから。
もしそうなったとしても会社に留まり何となく勤務時間まで過ごし、何となく給料をもらう日々よりかは人生の経験値が増えると思っていました。
社長の言葉を聴いても僕の気持ちが揺らぐ事はありませんでした。
失敗しても良い。それが僕の考えです。
退職願を提出したのはその年が終わる1ヶ月半前でした。
僕はその年一杯まで勤め、考える時間を与えられました。
僕は退職する日までにやらなければならない事を考えました。
★古物商の許可証を取ること。
★銀行口座をネットで管理できるように手続きすること。
★家の不用品をなるべくオークションで処分し資金を増やすこと。
★せどりで在庫を増やすこと。
たとえ僕がせどりの攻略法を見つけたとしても楽観視はできません。
その頃すでにせどりは飽和状態。
せどらーが多くなり過ぎて稼げるサイドビジネスでは無いという声が多く上がっていたからです。
せどり以外に仕入れルートを発掘する必要があったのです。
それが古物市場でした。
古物市場は古物商の許可証を持っている人しか参加できない閉鎖された場所です。
その開催場所はネット上でも明かされていません。
倒産した店の品(リサイクル品)などが流れてきます。
それらの商品を魚市場の競り(セリ)のように値段を提示していき一番高い値段を言った人が競り落とします。
僕は会社勤めをしている時からネットビジネスに関心があり、副業のブログを多く読んでいました。
古物市場の情報はそんな中から自然と得る事ができました。
古物市場は宝の宝庫である。
この言葉は間違いではありません。目利きさえ出来れば確実に稼ぐ事が可能です。
古物商の許可証の取り方はそんなに難しくはありません。
ネット上で無料で情報を得る事ができます。
書類を集め2万、3万ほどのお金と一緒に警察に提出するだけで誰でも取得する事ができます。
僕は警察からの営業許可を待ちました。
やるべき事はやった。
そしてとうとう会社を退職する時がやってきたのです。
しかし資産はほぼ無い!(先月の給料くらい)
どうするか・・・。
そこから僕の背水の陣とも言える独立人生が始まるのです。
・・・つづく