狼になりたい

獣の匂いがします

貴女に悟られないように少し下がって歩きます

目は伏せて歩きます

貴女の横で初めて歩きました

そっと牙を隠しました
狼になりたい

暗い川を見つめていました
闇の中に沈んでいきそうでした
叫びました
鉛のような声でした
貴女の横顔だけが浮かびました
涙がこぼれ落ちました
狼になりたい

貴女にふれました
猛り狂う炎が、ふっと静かに消えました
包まれるようでした
眠ってしまいそうでした
喉の奥で泣きました
狼のまま眠りたい