先日、youtubeでドキュメンタリーを観ていたら、小学校教員「菊池省三」の実践を取り上げた番組に遭遇。この方は荒れた学級を再生させる手腕が注目されていて、ちょっと前に退職してしまったが、今は講演会などで全国を飛び回っているそうだ。

 

その実践は従来の講義形式の授業、つまり「教師が一方的に教えこむ」授業ではなく、「生徒対教師」、もしくは「生徒対他の生徒」で行われる対話的な学びを重んじている。最近になってよく耳にするようになったアクティブラーニングを先駆けて行っていたのである。

 

自分も講義形式の授業に問題を感じ、良い授業とは何か考えていた時期があっただけに、この実践内容に非常に興味が湧いた。この方、本も多数執筆されているので、先日書店にて探してみたところ、なんと授業の様子を収めたDVD(しかも解説の本付き)が出版されていた。それが今回のタイトルの「動画」にあたるものである。

 

動画を観て思わず「戦慄」してしまった。

彼の教育を受けた生徒数名が講演会にゲストで来てインタビューされている映像があるのだが、その語り口や声、内容、態度、全てがあまりにもしっかりし過ぎていた。

聞かれるとすぐに話しはじめ、聞きやすく整理された内容を聞きやすく届け、ときにユーモアすら交える。

子どもらしいあどけなさを残しながらも、その辺の大人よりも数段大人びたその姿に不気味さすら覚え、「何かしらの危ない教育をしているのでは」とすら勘ぐってしまった。解説や他の書籍も読んでみたところ、様々な独創的な実践がしっかりとねらいを持って行われており、そのすべてが「生徒を伸ばす」ことに繋がっていた。

 

子どもだって訓練のやりようによってはここまで伸びるということが証明された。しかももともと「荒れた」学級だったというのだから驚きである。自分としては、この教育を受けた生徒たちは中学に上がってからどんな風に育っていったのかも気になる。。。