あまり気の乗らない作業・・・ダボ打ち
丸太を横積みで作る家はダボの施工が法律で義務付けされています。

ここからはログハウス建設に興味の無い人が読んでも面白くありません(^^;
このダボと言うやつ、適当に入れても良い訳ではなく、必要本数を建築的構造計算から割り出します。
積んでいく丸太の容積や間取りの投影面積、耐力壁の高さや階数を考慮しながら限界水平せん断力を割り出し、ダボのせん断耐力を許容値になるまで本数を増やすわけです。
厳密にはもっと複雑で、層せん断力や層間変形角などを用いて計算するわけです。
ダボが少なすぎるのは論外ですが、あまり多すぎても効果はそれほど期待できません。
ある現場の職人さんが言っていました。
ダボは基本的に900mmピッチ以下で施工したことが無いと。
つまり開口部周り以外は900mm以下で施工すると計算しなくても良い!と言うことですかね。
小生は着工前にバカ丁寧に計算しました(^^;
計算結果は予定していた丸太と、今の丸太が違うので使えませんでした(>_<)
実際に法律いっぱいの寸法で計算しなおすと900mmになります。
ここで面白い実験があります。
阪神淡路の大地震をシュミレートしたログハウスの耐震実験の結果です。
計算上のダボせん断力と必要本数の関係はおおよそ1.3~1.7倍の安全率を示したと言うものです。
つまり計算上2本分で実質3本分の効力があると言うことです。
と言うことは、どうしても900mm以下でダボを入れられない場所は、1170~1530mmで1本入れておくと安心だと言うことです。
それにしても納得がいかない・・・
ノッチとグルーブを刻んでいるのに、なぜせん断を恐れるのだろう・・・
開口部は補強するにしても、2箇所以上ノッチがある一本の丸太がズレて崩壊するなんて構造的にありえません。
法律にも逃げとして「構造上の安全が認められた場合はこの限りではない」みたいな事が書かれていました。
ここまで作ってきて小生が思うことは、ダボは必要ない!です(^^)
もちろん通しボルトも必要ないと思います。あくまで小生の見解ですけど・・・
それでも、法に右習えで作らなきゃ違法建造物です。
違法建築は火災保険に入れません。
嘘を申告して加入しても、実際に火事になったらバレますね。
満額出ないと言うことになります。
と言うわけで、要らないと思いつつ900mm以下でひたすらダボを打つ時間のなんともったいない事か・・・
でも火事になったら・・・せっかく建てた家が燃えることを想定して打つダボちゃんの、なんと可愛そうな事か・・・(^^;