そこに緑はなかった。

 



11月の初旬、一足早い白いヤツが富良野の大地に降り積もった。

もちろん札幌はまだまだ秋の終わりである。

予想よりも早い寒波の到来に気持ちは焦りを隠せない。

凍ってしまったら井戸枠も水路もパンクしてしまう。

さっさと埋めてしまいたいが、川石や砕石を湧き出る水で洗浄しながら少しずつ埋めていたので、ジャンジャン土砂をかける訳にはいかない。

夜通し枠廻りの石の洗浄に費やした。

 



水量は予想以上に多く、32Aのパイプで揚水しても渇水することはないほどで、水路が拡大していったものと推測できる。

一般家庭の蛇口の4倍以上の勢いである。

埋めた砕石が見えなくなるまで水面が上がってきているのを確認したとき、人工水路が成功したとの確信を持って土砂を埋め戻した。

洗浄のポンプアップは行く度に毎回続け、少しずつ透き通っていく水を見ながらニタニタしていた(^^)

しかし飲める水なのかが問題である。

不純物が規定値を超えていたら、ろ過装置やら何やらで設備投資が大変である。

水質検査はシーズンオフにやってみようと思っていた。

それまでは遅れている基礎工事の掘削をのんびりやることにして(いまさら焦っても仕方ないし)以前からユンボに乗りたがっていた嫁に運転を教えながら時折井戸の世話をしていた。

基礎は来春から工事着手することにし、掘った土壌を1シーズン寝かせることでレベルが沈み、良好の条件になると判断した。