・地層断面図から割り出したデータ
・航空写真から予測した位置
・嫁の指示した場所
この3つが一致するエリアがある。
その場所はまさに家の基礎敷設位置であった。
基礎の中に井戸があれば凍結の問題も楽にクリアできそうだし、場所は決定した。
ひたすら掘ること数日間・・・
ユンボは深堀すると自身のバケットが見えない。
カンで底をかっちゃきながら掘っていく。
何度かユンボの作業高さを低くするため、スロープを掘りなおした。
6mの地点で岩盤に当たった。
歴代の掘削装置が悲鳴を上げたわけがようやくわかった。
こんな固い岩盤があったんじゃ進むわけがない。
ユンボでもきつい位なのに・・・ バケットの爪が削れていく・・・
それでも岩盤を抜けたとき、地盤は砂礫状になり、サクサク掘れるようになった。
随分深い所まで来たなぁと思い、深さを測定してみた。
寸法は11m。予定ではそろそろ出水して欲しい深さである。
最後のひと堀!と思ったその時だった。
運転席からは底の見えない穴から上がって来たバケットの爪の間から茶色い水がジャ~!っと。
でた・・・
だした・・・
いや、嫁のダウジングのおかげだろう♪
抱き合って喜んだ。
涙が出そうだ・・・
少しずつ湧き出てくる水を見ながら達成感に包まれる時間を無言でしばらく嫁と過ごした。
水面は生命を与えられたかのようにどんどん上がって来る。
まさに自然の恵み。地球に、大地に、嫁に、ユンボに、データをくれた世間に感謝感謝。
穴に下りて少し手堀りしてみたら粘土が出てきた。
水も粘土が溶けた状態になっているのでここで終了と決めた。
あとは井戸枠の設置である。

手順は
・大き目の石を集めてきて人工的な水路を確保する。
・塩ビの井戸枠にスリットを作り、網をかけてストレーナー化する。
・ストレーナーが隠れるまで石で埋める。
・その上から砕石を敷き、最後に土を入れて圧をかける。

井戸枠のサイズは内径200mmと50mmの2本設置する。
50mmの方は水位等の各種測定用に。
200mmはもちろん飲料水を井戸ポンプで汲み上げる。
最終的な深さは12m。浅井戸ポンプだとちょっと厳しいかもしれない。
気持ち的には焦っていた。
冬将軍はすぐそこまで来ていたからだ。
井戸を開放したままだとしばらかしてしまう。(凍らせてしまう)
マイナスになる前に凍結深度以上に埋め戻す必要があった。