井戸掘り3号機も失敗に終わり、4号機の製作に取り掛かっていた。
諦めると言う選択肢はその時なかった。
絶対に水を出してやると言う気持ちが100%心を支配していた。

色々調べていくと、井戸には様々な工事方法がある事を知った。
そして「打ち込み方式」と言う方法を試してみようと治具の制作に取り掛かったんだ。
打ち込み方式とは、金属のパイプの先端に尖った金具をつけ、パイプの側面に無数の小さな穴をドリルで開けて取水すると言う、まさしく井戸枠をそのまま打ちっぱなしで終わらせる方法。
水が出た時が井戸枠工事の終了時で、工事方としては経済的。
水脈に当たったか否かは、パイプに水を入れる事で判る。
水面が見る見る下がれば水脈に当たったと言う事になる。
自噴でもない限りカンと手応えだけが頼りだが、もう小生にはこの方法しか残されていなかった。
打ち込みパイプの径は内径50mmを選んだ。
削岩機を中古(2,000円だった)で購入し、パイプへハンマー動作を伝える治具を制作し、パイプの先端はジグザグに切り込み先端へ集めて尖らせて溶接した。
側面には100発以上の3mm径の穴を開け、さび止め処理もした。
先端は軽く焼入れをしてある。
現地に搬入し、脚立を立ててなるべく石の少なそうな所を選んでパイプと削岩機をセットした。
作業開始!!頼む入ってくれ!!と祈るように始めた。
お酒も塩も奉納した。困った時の神頼み(^^;
パイプは少しずつ入っていく!やった順調だ!
3mほど進んだ所で当然のように石に当たったが、強烈な削岩作用により数十分後には突き抜けて進みだした。
いい感じだ。このまま進みたい。しかし・・・
6m位のところでまた石に当たった。
これがナンボやっても抜けてくれない。
削岩機も悲鳴を上げている。
とてつもなく大きな岩ではないかと判断し、場所を変えてやってみた。
数箇所に渡ってトライしてみたが、1回目の作業を上回る結果はどこからも得られなかった。
地下はどんな風になっているのだろう?岩盤が一面に広がっているのだろうか?
なんにしてもこの方法では駄目だ・・・がっくし
掘れない井戸・・・ 散らばる掘削機械の残骸・・・ 労力と時間だけが消費されていった。
もう思いつく方法がない。