細野豪志原発事故担当相は9日のフジテレビの番組で、東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内で立ち入りが禁止されている「警戒区域」について「放射線量が比較的低く、(住民に)帰って来てもらえる可能性の高いところはある。一律でなく、地域ごとに考える」と述べ、線量の低下した地域を先行解除する考えを明らかにした。

 細野氏は「年内に(原子炉の冷温停止が)達成できたとしても、すぐ解除にはならない。ただ(放射性物質の除染で年間被ばく線量の半減を目指すこの)2年間、一切動かせないとは思っていない」と指摘。12年度中の部分解除もありうるとの見通しを示した。

 定期検査で停止中の原発の再稼働については「電力が足りなくなるから動かす、という理由ではいけない。安全を確保し、だめなものはだめと(判断すべきだ)」と強調した。

 また、国の除染費用に関し、テレビ朝日の番組で「来年度予算(要求)も含めて1兆1000億円以上あるが、足りなければ増額しなければならない。(野田佳彦)首相もやろうと思っていると思う」と述べ、12年度補正予算での追加計上の可能性を示唆した