日本原子力産業協会は7日までに、9月の国内の商業用原発54基の設備利用率(稼働率)は20.6%との調査結果をまとめた。同協会や電気事業連合会が記録している1977年4月以降では、今年8月の26.4%を下回り、過去最低を更新した。

 原発の停止が長期化し、再稼働した原発はない一方、九州電力川内2号機(鹿児島県)と四国電力伊方1号機(愛媛県)が定期検査に入った。

 稼働率は3月の58.3%から下がり続けている。再稼働には、国に地震や津波に関する安全評価の結果を報告し、認められる必要があるが、安全評価を終えた原発はまだない。10月に入っても4日に九州電力玄海4号機(佐賀県)がトラブルで自動停止し、稼働率低下は今後も続く見通し。

 東電が廃炉を表明した福島第1原発1~4号機は現役の原発として調査対象にしている。本年度上半期(4~9月)の稼働率は34.9%。2010年度は67.3%だった。