海上保安庁は30日、東京電力福島第一原発の半径20キロ圏内の警戒区域にある浪江町の請戸漁港周辺で、初めて潜水による行方不明者の捜索を行った。捜索は約4時間半行われたが、行方不明者は見つからなかった。第2管区海上保安本部によると、これまで潜水士の放射性物質に対する安全が確保されていないことから潜水での捜索は見送ってきたが、海水などが入らず、顔を全部覆った状態で酸素を吸入できる「全面マスク」を使用することで安全が確保されるとして、捜索に踏み切った。

 この日は、同庁所属の特殊救難隊員と潜水士計17人が海に潜ったり、巡視船などから水中音波探知機で海底の様子を見たりして行方不明者を捜した。捜索は31日も行われる。