福島第一原子力発電所にたまり続けている高濃度の放射能汚染水の浄化処理施設は、当初計画していた本格稼働が15日から遅れることが確実になった。
汚染水対策の「切り札」的な施設だが、準備中に水漏れや水が流れなくなる不具合が続発。さらに稼働が遅れれば、汚染水の新たな保管場所が必要になってくる。
同原発1~3号機では原子炉に注入した水が、タービン建屋地下などに漏れ出ていると見られている。
大量の放射性物質を含むので、海へ流れ出ないよう一部を集中廃棄物処理施設などへ移送してきた。
浄化処理施設は東芝や仏アレバ、米キュリオンなどがつくったもので放射性物質の除去や淡水化などをする。
本格稼働すれば1日1200トンの処理が可能。
放射能レベルを1千~1万分の1程度に下げられる。
処理後の水は仮設タンクに貯蔵するほか、原子炉に戻して循環させるシステムの構築もめざす。